アトラシアンのクラウド製品とサーバー製品の比較
アトラシアンの製品は、クラウドと Data Center ではホスティング オプションが異なります。この記事では、ご自身の組織に最適なオプションを判断する際の考慮事項の概要を説明します。
ホスト オプションの違い
まず、それぞれのオプションの意味を説明します。
クラウド
アトラシアンがお客様用の製品をクラウドでホスト、セットアップ、およびメンテナンスします。お客様がアトラシアン製品を自身のサーバーにインストールしてメンテナンスする必要はありません。
アトラシアンのクラウド製品は次のような理由で選ばれています。
- 素早いスタートアップ: 簡単にセットアップし、数分で利用を開始できます。サインアップが完了したらすぐに作業を開始し、チーム メンバーを招待できます。
- コストの削減: 物理ハードウェア、メンテナンス、インストール、サポート、およびその他の潜在的な管理コストを削減できます。
- アップグレード不要: 特別な操作を行うことなく、最新の機能をすぐに利用できます。
- 外出先での作業: アトラシアンのクラウド製品を利用することで、チームはどこからでも業務を進めることができます。アトラシアンのクラウド製品にはあらゆるブラウザや、アトラシアンのクラウド モバイル アプリから安全にアクセスできます。詳細情報
セキュリティ: アトラシアンではお客様の組織の安全性や各規格への準拠状態を維持します。お客様の情報を追跡および保護するため、リアルタイムのセキュリティ アップデートと厳格なプラクティスが適用されます。詳細情報
データ レジデンシー制御: Enterprise プランの製品の場合は、特定の製品データをヨーロッパまたは米国でホストするよう選択します。詳細はこちら
変更管理: Premium プランまたは Enterprise プランの製品の場合、サンドボックスを使って変更内容をテストできる安全な環境およびリリース トラックを使用して変更を遅らせる機能がクラウドにより提供されます。
- 確実なスケール: クラウドでは、インベントリやストレージ スペースを購入できます。お客様はニーズの急増やチームの成長にすぐに対応することができます。
Server と Data Center
Atlassian のセルフ管理製品では、お客様がご自身のハードウェアや AWS などのクラウド ホスティング サービスで、Atlassian 製品のインストール、ホスト、および実行を行います。要件に応じてセットアップをカスタマイズすることができます。
サーバー製品は次のような場合に選ばれています。
高度な制御が必要: すべてを詳細に管理したいチームでは、サーバー製品の柔軟性が必要な場合があります。
データの局所性: サーバー製品はデータのホスティングやローカリゼーション要件が厳格なお客様に選ばれていますが、クラウド製品でも要件を実現できる場合が多くあります。Atlassian のクラウド ホスティング インフラストラクチャについて、詳細をご確認ください。
セルフ管理アプリケーションの経験が豊富: 自身のサーバーでのアプリケーションの複雑なセットアップおよびホスティングを行い、それらの保護およびメンテナンスを確実に継続的に行えるお客様の場合、サーバー製品または Data Center 製品をお選びいただく場合があります。
Data Center
これは大規模環境で使用されるサーバー製品のイメージです。データセンター製品はサーバー製品と同じ機能を提供しますが、大規模組織に対応した追加機能を持ちます。
このページの以降の説明では、クラウドとサーバーの比較に役立つ情報を提供していますが、サーバー製品の情報はデータセンター製品にも適用されます。
その他の違い
クラウドまたはサーバーがお客様に適しているかどうかを判断できるよう、オプションの理解を助け、意思決定プロセスを支援するための基準を設定しました。
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クラウドまたは Data Center をお考えですか?クイズに参加して、どのオプションとプランが適しているのかを学びましょう。
Administration
クラウド | Server | |
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デプロイメントと管理 | ご利用のアトラシアン サイトのクラウドでのホスト、セットアップ、安全性の確保、メンテナンスはアトラシアンが行います。 アトラシアンのクラウド製品はお客様専用にインストールおよび構成されるため、全体的な管理負荷が低くなります。 注意: クラウド上のアプリの多くはベンダーがホストします。アプリがベンダーによって管理されている場合は、そのベンダーのサイトでホストとセキュリティに関する情報を確認してください。 | お客様はご自身のハードウェアや AWS などのクラウド ホスティング サービスでアトラシアン製品をホストします。要件に応じてセットアップをカスタマイズすることができます。 アトラシアンのサーバー製品の管理者はデータベースへの完全なアクセス権を持つため、完全なカスタマイズおよび管理を行えます。 ただし、インフラストラクチャ、アトラシアン製品、ユーザー、および、組織のサーバー管理者が責任を負うその他のあらゆる作業を、管理者自身がサポートする必要があります。 |
アップグレード | アップグレードは不要です。ユーザーは常に最新バージョンを利用できます。 手動作業を一切行うことなく、新機能やセキュリティ アップデートをすぐに利用できます。 | 新しいバージョンがリリースされたら、アトラシアンのサーバー製品を手動でアップグレードする必要があります。組織のサーバー管理者は、ソフトウェア、セキュリティ、およびメンテナンスのための更新、 またはアップグレード の計画や実装の責任を負います。 アップグレードには、アクティブなライセンスまたはソフトウェア メンテナンス プランが必要です。これらがない場合、アップグレードを行うことはできません。 |
ユーザー管理 | アトラシアンのクラウド製品では、製品単位ではなく組織でユーザー アカウントを管理します。これにより、管理しやすい 1 つの画面ですべてのユーザーを確認できます。グループや各製品へのアクセスは製品レベルで管理されます。 クラウドでのユーザー管理機能の改善と拡張を支援するため、Atlassian Access も提供しています。Access は、Atlassian Cloud ユーザー間で認証およびセキュリティ ポリシーを管理するためのツールです。Atlassian Access とその機能に関する詳細については、Atlassian Access ライセンスと FAQ の購入を参照してください。 | サーバー管理者はアトラシアンのサーバー製品のユーザー管理を、サーバ製品ごと、Jira 経由、Atlassian Crowd への接続などのさまざまな方法で扱うことができます。詳細については「ユーザー管理」をご参照ください。 製品固有のユーザー管理機能の詳細については、次の記事をご参照ください。 Confluence Server Jira Server Atlassian Crowd |
SSO および LDAP 連携 | 組織レベルの視認性、セキュリティ、およびアトラシアン クラウドのインフラストラクチャ全体にわたった制御を実現する、Atlassian Access で利用できます。 Atlassian Access では次の機能を利用できます。
クラウド製品とサーバー製品でのユーザー管理については、こちらをご参照ください。 | シングル サインオンとサーバー製品で使用しやすいユーザー ID を実現する、Crowd で利用できます。 Crowd では次の機能を利用できます。
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サイト名 (URL) | アトラシアンではクラウド サブスクリプションに対してセキュアな認証済みサイト名を提供しています。これは 1 つめのクラウド製品へのサインアップ (例: Jira Software Cloud または Confluence Cloud への初回サインアップ) 時にお客様が選択します。 サイト名は、example.atlassian.net としてフォーマットされます。"example" の部分は、組織が選択します。 | お客様は自身が管理している任意のドメイン配下で製品をホストできます。 |
言語 | アトラシアンのクラウド製品とアプリは、20 言語以上に対応しており、今後も対応言語は増える予定です。現在対応している言語については「言語設定を管理する」のページをご覧ください。 | お客様は Confluence Server 向けの言語パックをダウンロードしたり、Jira Server で既定言語を選択したりすることができます。 |
バックアップ | バックアップは毎日生成され、point-in-time のデータ復元のために 30 日間保持されます。 お客様はご利用の Jira または Confluence Cloud のオフライン バックアップを 48 時間ごとに生成できます。アトラシアンではこれらのバックアップを 7 日間保持しています。 また、Bitbucket の自動バックアップを毎日作成しています。 クラウド製品のバックアップの詳細については「データ ストレージ FAQ」をご参照ください。 | お客様およびお客様の組織がご自身の責任で、バックアップを保持します。 サーバー製品を選択する際は、データをバックアップする方法と、問題が発生した場合にそれを復元する方法を検討することが重要です。 特定の製品のバックアップの詳細については次のページをご参照ください。
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IP 許可リスト | Bitbucket Cloud Premium で特定の IP アドレスでのユーザーへのプライベート コンテンツのアクセスを制限できます。 Jira Software Cloud、Jira Service Management Cloud、または Confluence Cloud の Premium プランでは、製品でのユーザー アクセスを特定の IP アドレス制限することができます。詳細は、「IP 許可リスト」を参照してください。 また、Jira Cloud ではプロジェクト権限を管理したり、課題レベルのセキュリティを構成したりすることで、アクセスを制御できます。詳細については、「プロジェクト権限の管理」と「課題レベルのセキュリティの構成」をご参照ください。 | お客様ご自身でホストするため、ネットワークのアクセス ポリシーもお客様自身で制御できます。 |
データベースへの直接アクセス | お客様は、データベース構造、ファイル システム、他のサーバー インフラストラクチャに直接アクセスしてそれらを変更することはできません。 ただし、アトラシアンでは広範な REST API を提供しているため、プログラム経由でデータにアクセスすることができます。 | お客様はデータベースに直接アクセスできます。 |
スケーラビリティと拡張性
クラウド | Server | |
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モバイル アプリ | Confluence および Jira Cloud の無料のモバイル アプリは、クラウドのすべてのお客様に、VPN にサインインする手間をかけずに高速で安全なコラボレーションを提供します。 Android: Confluence | Jira iOS: Confluence | Jira | モバイル アプリは、Confluence Server バージョン 6.8 以降、および Jira Server バージョン 8.3 以降で使用できます。 ユーザーがこれらを使用するには、インスタンスが外部に公開されていてファイアウォールを使用していない場合を除き、組織の VPN に接続する必要があります。 Android: Confluence | Jira iOS: Confluence | Jira Confluence Server 6.5 以降または Jira Server 7.4 以降をモバイルの Web ブラウザで表示すると、インターフェイスがモバイル向けに最適化され、基本的な機能を使用できます。 また、Confluence Server 3.0 以降および Jira Server 7.0 以降向けのサードパーティ製のモバイル アプリを Atlassian Marketplace で購入できます。 |
Marketplace アプリ | クラウドおよびサーバーの両方では、アトラシアンの製品の機能を拡張するさまざまなアプリや連携機能が提供されます。 たとえば、Slack や Dropbox などの生産性向上およびコラボレーションを実現する主要な SaaS ツールと連携する、無料の連携機能があります。 場合によっては、製品のクラウド バージョンに、サーバーではアプリで実現されている機能が含まれることがあります。 | クラウドおよびサーバーの両方で、アトラシアンの製品の機能を拡張するさまざまなアプリや連携機能が提供されます。 サーバー用のアプリは、ダウンロードし、サーバにインストールして使用します。 利用可能なアプリの確認、およびサーバー アプリのダウンロードおよびインストールの詳細情報については Atlassian Marketplace をご参照ください。 |
API | Atlassian Connect フレームワークまたは Forge を使用して、アトラシアンのクラウド製品用のアプリ、カスタマイズ、および連携機能を開発できます。詳細情報。 | 堅牢な サーバー API を使用して、アトラシアンのサーバー製品用のアプリ、カスタマイズ、および連携機能を開発できます。 詳細についてはこちらをご覧ください。 |
ユーザー数の制限 | 個別のクラウド製品は現在、最大 10,000 ユーザーまで対応できます。クラウドにすべてのサイトを集中させ、管理するために使用できる組織のユーザー数には制限はありません。 | アトラシアンのサーバー製品にはユーザー数の制限はありません。大規模環境でのセルフ管理オプションをお探しのエンタープライズ企業の場合、データセンター製品の使用をおすすめします。 |
製品 | 次の製品のクラウド バージョンを提供しています。
| 次のサーバーまたは Data Center バージョンを提供しています。
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ホスティングとセキュリティ
クラウド | Server | |
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セキュリティ | アトラシアンがお客様のセキュリティ、信頼性、コンプライアンス、およびプライバシーを実現します。 アトラシアンのクラウド製品の基盤、インフラストラクチャ、および各プロセスでセキュリティが実現されるため、お客様はご自身のデータを安全に保つことができます。 注意: クラウド上のアプリの多くはベンダーがホストします。アプリがベンダーによって管理されている場合は、そのベンダーのサイトでセキュリティに関する情報を確認してください。 | Atlassian のセルフサーバー製品では、お客様およびお客様の組織がセキュリティおよびコンプライアンスの保持の責任を負います。 アトラシアンのサーバー製品でのセキュリティのベスト プラクティスの詳細については、次のページをご参照ください。 |
ホスティング | アトラシアンのクラウド ホスティング インフラストラクチャは、世界中のお客様の要件を満たす製品パフォーマンスや信頼性基準を実現するように設計されています。本記事の執筆時点では、アトラシアンはクラウド データを 6 つの異なる AWS リージョン: 米国 (East および West)、ヨーロッパ (アイルランドおよびドイツ)、アジア太平洋地域 (シドニーおよびシンガポール) にホストしています。 Atlassian では、製品パフォーマンスを最適化するため、データの移動を制限していません。また、必要に応じてデータをリージョン間で動かす場合があります。 エンタープライズ向けの Jira Software または Confluence をご利用中の場合は、特定の製品コンテンツをヨーロッパまたは米国圏内でホストするよう選択できます。 | お客様がご自身のサーバーでホストします。 |
プライバシー | Atlassian は個人データ保護のもっとも厳しい要件の実現に取り組んでいます。また、お客様の組織が GDPR などの世界中のデータ プライバシー義務に順守することを支援します。 | お客様がご自身の責任でプライバシーを維持します。 |
信頼性 | Atlassian 製品は高いパフォーマンスおよび可用性を実現するよう設計され、AWS などの業界最高レベルのコア テクノロジーに構築されます。このため、お客様の組織は確実かつ安全にスケールすることができます。 | お客様がご自身の責任で信頼性を維持します。 |
コンプライアンス | お客様の組織でのコンプライアンス要件の実現を支援するため、Atlassian はコンプライアンス プログラムを用意しています。独立したサードパーティによる監査を受けているほか、Atlassian の製品は SOC2、ISO 27001/27018、PCI DSS v3.2、SAQ A などに準拠しています。 | お客様がご自身の責任でコンプライアンスを維持します。 |
価格とライセンス
クラウド | Server | |
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価格 | アトラシアンのクラウド製品は月間または年間サブスクリプションとして提供されます。価格はユーザー単位で決定されるため、時期や規模に応じてコストを効果的に拡張できます。 組織の総コストは、選択するクラウド製品、プラン、アプリ、および料金サイクルに応じて異なります。クラウド価格シミュレーターをお試しください。小規模なチームでストレージ要件が厳しくない場合は、Jira Cloud および Confluence Cloud の無料プランをご検討ください。 セルフ管理製品を使用している既存のお客様の場合 既存のセルフ管理 Atlassian のセルフ管理製品では、お客様がご自身のハードウェアや AWS などのクラウド ホスティング サービスで、Atlassian 製品のインストール、ホスト、および実行を行います。要件に応じてセットアップをカスタマイズすることができます。 サーバー製品は次のような場合に選ばれています。
(サーバーまたは Data Center) 製品を使用している既存のお客様には、無料のクラウド移行トライアルを使用して追加コストなしでクラウドに移動できるメリットが提供されます。これにより、既存のメンテナンス期間でクラウド製品を確認し、クラウド製品が要件に合うかどうかを確認して、移行をテストしたり、クラウドへの完全な切り替えを完了したりすることができます。詳細についてはこちらをご覧ください。 セルフ管理製品とクラウド製品とのコストの違いについては、こちらをご参照ください。 | アトラシアンのサーバー製品は永続ライセンスまたは年間のお支払いプランとして提供されます。 サーバー ライセンスにより、お客様はソフトウェアを使用し、12 か月のメンテナンスを受けることができます。12 か月の経過以降は、ライセンス費用の 50 % でメンテナンスを更新することができます。詳細情報 セルフ管理製品とクラウド製品とのコストの違いについては、こちらをご参照ください。 |
プラン | アトラシアンでは Jira Cloud、Jira Service Management、Confluence Cloud について、Free、Standard、Premium、Enterprise の複数のプランを提供しています。Free プランは、限定されたユーザーおよびストレージ要件を持つ小規模なチームに最適です。Standard プランにはストレージ使用量 250 GB が含まれます。Premium および Enterprise プランでは、チームの確実な拡張を支援する高度な機能に加えて、アップタイム SLA、無制限のストレージ、および 24/7 (年中無休) Premium サポートが提供されます。 | サーバー製品では複数のプランは提供されませんが、アトラシアンのデータセンター製品は、大規模環境向けに最適化され、チームのために開発されたセルフ管理型製品を使用できます。 |
教育機関、コミュニティ、およびクラスルーム割引 | アトラシアンでは、弊社の基準に該当する教育機関および非営利公益団体向けにクラウド製品の割引を提供しています。 さらに、アカデミック クラウドおよびコミュニティ クラウドにサブスクライブしているユーザーは Atlassian Access を無料で使用できます。 | アトラシアンでは、弊社の基準に該当する教育機関および非営利公益団体向けにクラウド製品の割引を提供しています。 教育機関、コミュニティ、クラスルーム、およびオープン ソースのどれに該当するかに応じて、厳密な条件や割引率は異なります。詳細情報 |
クラウドへの移行をお考えですか?移行のサポートのためのツールとリソースについては、新しいクラウド移行センターを参照してください。
製品ごとの比較
個々の製品のクラウド版とサーバー版との違いの詳細については、次のページをご参照ください。
- Jira: Jira Cloud 製品での機能の違い
- Jira Service Management: Jira Service Desk Management との機能の違い
- Confluence: Confluence Cloud での機能の違い
- Bitbucket: Bitbucket Cloud での機能の違い