Jira Software 9.8.x アップグレード ノート
ここでは、Jira Software 9.8.x へのアップグレードに関する重要な注意事項について説明します。
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8.x から 9.x へのアップグレードでは Jira の完全な再インデックスがトリガーされるため、プロセス中にダウンタイムが発生します。現在 8.x をご利用の場合、ダウンタイムを予測したうえでアップグレードに最適な時間枠を選ぶようにしてください。
既知の問題: この Jira バージョンは Jira Cloud Migration Assistant (JCMA) との互換性がありません
Jira 9.8 と JCMA 1.9.x 以前のバージョンの間に互換性の問題が検出されました。これにより、一部の移行事前チェックが失敗し、Server から Cloud への移行が妨げられます。
移行を開始、テスト、または実行する予定がある場合は、Jira 9.8 に更新せず、互換性のある JCMA バージョンがリリースされるまで、以前の Jira バージョン (9.7.x) のままにしておくことをお勧めします。
アトラシアンではこの問題の解決に向けて取り組んでいるため、Server から Cloud への移行には JCMA 1.9.0 を使用することを推奨します。
アップグレード ノート
スティッキー (貼り付く) コメント フッターの導入
この機能は、機能フラグ com.atlassian.jira.commentStickyFooter
によって既定で有効になっています。この機能フラグをオフにすることで無効化できます。
スティッキー コメント フッターを導入したことにより、課題にコメントを素早く簡単に追加できるようになりました。課題ビューのあらゆる場所から、1 クリックまたはボタンを押すだけで (m を押してコメントを追加) やり取りを開始できます。
更新内容の詳細です。
- コンテキスト切り替えなしで会話を常に把握できます。他のコメントを読んだり参照したりしながら返信を入力しましょう。
- 入力中もフォーカスを維持できます。誰かを @ メンションした際、提案されるユーザーが現在のカーソルの場所に表示されます。
スプリントの自動管理
新しいスプリントの開始や完了したスプリントの終了を行うために、複数のボードにアクセスする必要がなくなりました。スプリントを自動的に開始および完了するようにスケジュール設定できます。次のタイミングでスプリントの自動管理を行うように設定をセットアップできます。
- 今後のスプリントを作成する
- 今すぐ開始する新しいスプリントを作成する
- 既存のスプリントを編集する
自動管理スプリントの簡単な設定は次のとおりです。
- スプリントを開始して自動的に完了する必要がある日付と時間を選択します。
- スプリントの自動開始と自動完了を有効化します。
- スプリントの自動完了後にオープンなままの課題を移動する先を選択します。バックログ、Jira によって作成される新しいスプリント、または既存の将来のスプリントから選択できます。
製品内診断用の新しいメール キュー メトリクス
JMX 経由で得られる製品内診断 (IPD) の効果を改善するため、新しいメール キュー メトリックが導入されました。新しいメトリックでは、メール キューのコンテンツの詳細像が得られるほか、パフォーマンス モニタリングの改善に役立つ追加のデータが収集されます。新しいメトリックとその説明を次の表でご確認ください。
MBean オブジェクト名 | メトリックの説明 |
---|---|
com.atlassian.jira:type=metrics, category00=mail,category01=queue, category02=numErrors,name=statistics | メール キュー内のアイテム数の集計統計 |
com.atlassian.jira:type=metrics, category00=mail,category01=queue, category02=numItems,name=statistics | エラー メール キュー内のアイテム数の集計統計 |
com.atlassian.jira:type=metrics, | メール キューに 1 分あたりに追加されたアイテム数の最新の測定値 |
com.atlassian.jira:type=metrics, | エラー メール キューに 1 分あたりに追加されたアイテム数の最新の測定値 |
| メール キューに 1 分あたりに追加されたアイテム数の集計統計 |
com.atlassian.jira:type=metrics, | エラー メール キューに 1 分あたりに追加されたアイテム数の集計統計 |
com.atlassian.jira:type=metrics, | メール キューで 1 分あたりに処理されたアイテム数の最新の測定値 |
com.atlassian.jira:type=metrics, | メール キューで 1 分あたりに処理されたアイテム数の集計統計 |
com.atlassian.jira:type=metrics, | SMTP サーバーが 1 分あたりに送信したメール数の最新の測定値 |
com.atlassian.jira:type=metrics, | SMTP サーバーが 1 分あたりに送信したメール数の最新の集計統計 |
com.atlassian.jira:type=metrics, | メール キュー ジョブの状態を示す最新のインジケーター
|
セキュリティ脆弱性の修正
JMX ブロックリスト逆シリアル化フィルター
RCE (リモート コード実行) JMX 攻撃によって引き起こされる可能性のある潜在的なセキュリティの脆弱性を確認し、これに対する堅牢な修正を提供しています。この攻撃の最中、JMX モニタリング用の有効な認証情報を持つリモート ユーザーは、たとえそのユーザーのアカウントが readOnly
(montiorRole
) であっても、Java 逆シリアル化によって Jira Data Center で任意のコードを実行できます。
捏造されたデータがリクエストによってシステムに侵入するのを防ぐために、 JVM の ObjectInputFilter
に基づくブロックリスト逆シリアル化フィルターを使用しています。
カスタム JDK を使用していて、Java バージョンに基づくクラスパスに適切なクラスがない場合、Jira ノードは起動しません。atlassian.jira.log
には、「BlocklistDeserializationFilter has not been set up
」というエラーが記録されます。これは、使用している Java 環境にセキュリティ上の問題があることを意味します。
エラーを排除して Jira インスタンスのセキュリティを強化するには、JDK に次のクラスが含まれていることを確認してください。
- JDK 8 の場合: クラスパスで
sun.misc.ObjectInputFilter
クラスが有効になっている必要があります。 - JDK 11 以降の場合: クラスパスで
java.io.ObjectInputFilter
クラスが有効になっている必要があります。
サポート終了のお知らせ
このリリースにはサポート終了のお知らせは含まれません。サポート対象プラットフォームの一覧については「サポート対象プラットフォーム」をご確認ください。
アプリ開発者向けの情報
アプリに関するすべての重要な変更については、「Jira 9.8 への準備」を参照してください。
アップグレード手順
Jira バージョン 9.x.x からアップグレードする場合
- 利用可能なすべてのアップグレード方法およびアップグレード前の手順を含む完全なアップグレード手順について、「Jira アプリケーションのアップグレード」をご参照ください。
- ご自身の環境に合わせたアップグレードをご検討の場合、[Jira 管理] > [アプリケーション] > [アップグレードを計画] をご確認ください。アップグレード先のバージョンの提案やアップグレード前のチェックの実行が行われ、詳細な手順を含むカスタムのアップグレード ガイドが提供されます。