Jira アプリケーションの Oracle への接続
1. Oracle の設定
- Jira で使用できるデータベース インスタンスがあることを確認します (新規作成または既存インスタンスの使用)。
対象のデータベース インスタンス内で、Jira が接続時に使用するユーザーを作成します。(例:
jiradbuser
)。
作成したデータベース ユーザーの名前を覚えておいてください。後述の手順で、このデータベースへの Jira の接続を設定する時に必要になります。create user <user> identified by <user_pass> default tablespace <tablespace_name> quota unlimited on <tablespace_name>;
注意:
Oracle でユーザーを作成すると、Oracle は自動的に「スキーマ」を作成します。
ユーザーの作成時に、表オブジェクト用の表領域を指定する必要があります。
ユーザーが次の権限を持つことを確認します。
grant connect to <user>; grant create table to <user>; grant create sequence to <user>; grant create trigger to <user>;
上記に示された権限と完全に一致する権限がユーザーに付与されていることが非常に重要です。Jira ではこれらの権限のみ必要です。適用される権限に過不足がある場合、一部の Jira 機能が正しく動作しない可能性があります。
Jira の機能が期待どおりに動作するように、ユーザーには特定の権限を付与し、ロールは割り当てないようにすることをお勧めします。
たとえば、
RESOURCE
ロールをユーザーに付与し、RESOURCE
ロールにSELECT ANY TABLE
権限が付与される場合、Jira の機能は期待どおりに動作しない可能性があります。したがって、上記に示した権限をそのままユーザーに付与することをお勧めします。
- データベースに設定された文字エンコード形式が Jira と同じであることを確認します。推奨されるエンコーディングは、AL32UTF8 (Oracle の同等なエンコーディングは Unicode UTF-8) です。
2. Oracle JDBC ドライバのダウンロード
Jira では Oracle JDBC 12.2.0.1 ドライバが必要です。Oracle の Web サイトからダウンロードし、インストール ディレクトリにコピーします。
- Oracle JDBC ドライバをダウンロードします。
- ダウンロードした ojdbc8.jar ファイルを Jira インストール ディレクトリの
lib/
ディレクトリに保存します。
3. Oracle データベースに接続するための Jira Server の設定
Oracle データベースに接続するために JIRA サーバーを設定する方法は2つあります。
- Jira セットアップ ウィザード を使用する — Jira をインストールした直後で、初めて Jira をセットアップする場合はこの方法を使用します。設定は、Jira ホーム ディレクトリの
dbconfig.xml
ファイルに保存されます。 - Jira 設定ツールを使用する — 既存の Jira インスタンスがある場合はこの方法を使用します。設定は、Jira ホーム ディレクトリの
dbconfig.xml
ファイルに保存されます。
各設定手法の手順説明
Jira セットアップ ウィザード
ブラウザから初めて Jira にアクセスすると、Jira セットアップ ウィザード が表示されます。
- 最初の画面 の “Configure Language and Database” で、 “Database Connection” に My own database を選択します。
- データベース タイプを Oracle に設定します。
- 下記の データベース接続関連フィールド を参照し、フィールド入力を行います。
- 接続をテストし、保存します。
Jira 設定ツール
- Jira 設定ツールを次のように実行します。
- Windows: コマンド プロンプトを開いて、Jira インストール ディレクトリの
bin
サブディレクトリにあるconfig.bat
を実行します。 - Linux/Unit: コンソールを開いて、Jira インストール ディレクトリの
bin
サブディレクトリにあるconfig.sh
を実行します。
KB 記事「Unable to Start Jira applications Config Tool due to No X11 DISPLAY variable was set error に記載のエラーで失敗する場合があります。この場合、ページに記載されている回避策をご参照ください。
- Windows: コマンド プロンプトを開いて、Jira インストール ディレクトリの
- [Database] タブを選択し、”Database type” に ”Oracle” を設定します。
- 下記の データベース接続関連フィールド を参照し、フィールド入力を行います。
- 接続をテストし、保存します。Jira と Oracle を手動で設定したときに指定したすべてのカスタム設定 (例:
<connection-properties>SetBigStringTryClob=true</connection-properties>
の追加) は削除されます。削除された設定は手動で回復させる必要があります。 - Jira を再起動します。
データベース接続フィールド
セットアップウィザード / 設定ツール | dbconfig.xml | 説明 |
---|---|---|
ホスト名 |
| Oracle サーバーがインストールされたサーバー マシンのマシン名または IP アドレスです。 |
ポート |
| Oracle サーバーがリッスンする TCP/IP ポートです。Oracle に設定されたデフォルト ポート番号は “1521” です。 |
SID |
| Oracle の「システム識別子」です。多くの Oracle サーバーに対するこのデフォルト値は、”ORCL” です。Oracle Express Edition を使用している場合は、”XE” です。 |
ユーザ名 |
| Jira が Oracle サーバーに接続するために使用するユーザー。上記 ステップ 1 で作成しています。 |
パスワード | <password> タグに配置されます (下記の例の太字部分):<password> jiradbuser</password> | Oracle サーバーが認証に使用するユーザーのパスワードです。 |
dbconfig.xml ファイルのサンプル
上記の dbconfig.xml
ファイルに含まれる、pool
で始まる <jdbc-datasource/>
の子要素の詳細については、「データベース接続のチューニング」を参照してください。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<jira-database-config>
<name>defaultDS</name>
<delegator-name>default</delegator-name>
<database-type>oracle10g</database-type>
<jdbc-datasource>
<url>jdbc:oracle:thin:@dbserver:1521/ORCL</url>
<driver-class>oracle.jdbc.OracleDriver</driver-class>
<username>jiradbuser</username>
<password>password</password>
<pool-min-size>20</pool-min-size>
<pool-max-size>20</pool-max-size>
<pool-max-wait>30000</pool-max-wait>
<pool-max-idle>20</pool-max-idle>
<pool-remove-abandoned>true</pool-remove-abandoned>
<pool-remove-abandoned-timeout>300</pool-remove-abandoned-timeout>
<validation-query>select 1 from dual</validation-query>
<min-evictable-idle-time-millis>60000</min-evictable-idle-time-millis>
<time-between-eviction-runs-millis>300000</time-between-eviction-runs-millis>
<pool-test-while-idle>true</pool-test-while-idle>
<pool-test-on-borrow>false</pool-test-on-borrow>
</jdbc-datasource>
</jira-database-config>
4. Jira を起動する
これで、Oracle データベースに接続するための Jira の設定が完了しました。次のステップでは、これを起動させます。
これで、Jira を Oracle に接続することができました。
既知の問題
- カスタム ワークフローや、説明、コメント、またはカスタム フィールドに長いテキスト値を持つ課題の処理で問題が発生する場合、
dbconfig.xml
ファイルで</jdbc-datasource>
要素の子要素として<connection-properties>SetBigStringTryClob=true</connection-properties>
を追加してみてください。この接続プロパティによって問題が解決する可能性があります。設定後に Jira を再起動する必要があります。