Confluence の移行前のチェックリスト
移行は、複雑で困難なプロセスになることがあります。アトラシアンではお客様を支援するため、データを Confluence Server または Data Center からクラウドに移行する準備が整っていることを確認するために必要なすべての項目を示したチェックリストを作成しました。
一般的なエラーを防ぐため、移行を試す前に次の確認を完了します。
はじめる前に
1. 移行方法を確認する
確認する内容は、利用する移行方法によって異なります。このチェックリストでは次の方法を網羅しています。
次に、選択した移行メソッドに対応した移行前のチェックに従います。
2. 準備
移行前のチェックを完了するには、以下へのアクセス権が必要な場合があります。
- Confluence Server または Cloud のユーザー インターフェイス
- Confluence Space エクスポートを展開したもの
- 展開されていない Confluence サポート Zip
- ソース インスタンスでの SQL の実行
Confluence Cloud Migration Assistant のチェックリスト
移行アシスタントは、データに一般的なエラーがないかどうかを自動的に確認します。次の内容を確認します。
Migration Assistant アプリが最新かどうか
ユーザーに有効で一意のメール アドレスが紐付けられているかどうか
移行プロセスでのグループの統合
クラウド サイトにすでに存在するスペース
ただし、移行アシスタントはすべてを確認するわけではありません。このため、移行を開始する前に次のリストを使用したチェックを行う必要があります。
1. ユーザーの移行プランを確認する 必須
アシスタントはユーザーやグループを移行できますが、アシスタントには、Confluence のみを移行するのか、Jira も同様に移行するのかを判断する機能は備わっていません。
Jira もサーバーからクラウドに移行する、または将来その可能性がある場合は、ユーザーの移行戦略を用意することが重要です。これにより、移行後に、ユーザー管理の問題や、コンテンツの所有状況に関する問題が発生するのを防ぎます。
ユーザー移行戦略を作成するには、移行する対象と Jira 移行に使用する方法を把握しておく必要があります。
移行予定に応じて次のようなものが考えられます。
2. クラウド ユーザーの上限を超えていないことを確認する 必須
Free プランの Confluence Cloud サイトに移行する場合、移行アシスタントは移行によってユーザーの上限が超えないことを確認します。つまり、サーバーから移行されるユーザーの合計と、クラウドにすでに存在するユーザーの合計が 10 人を超えることはできません。10 人を超える場合、移行は失敗します。
Confluence Cloud サイトが別のプランの年間サブスクリプションを使用している場合、サーバーから移行されるユーザーの合計と、クラウドにすでに存在するユーザーの合計が、サブスクリプションのユーザー階層を超えないことを確認する必要があります。例えば、51 - 100 ユーザーのサブスクリプションを契約しているときに 110 人のアクティブなユーザーをインポートしようとすると、移行は失敗します。
これを修正するには、次の手順を実行します。
ユーザー数の上限が大きいプランをサブスクライブする
移行前にユーザーの数を減らす
アトラシアン サポートに連絡し、事前に製品アクセスなしでユーザーをインポートする。
3. 適切な権限があることを確認する 必須
移行を実行するユーザーが、次の権限を持っていることを確認します。
4. Confluence Server のバージョンを確認する 必須
移行アシスタントが機能するには、サポート対象のバージョンの Confluence Server または Data Center を使用している必要があります。
5. アプリまたはアドオンのメール アドレスを修正する 必須
この確認は、2 つ以上の Confluence Cloud サイトの統合を試行する際に適用されます。よくあるシナリオの 1 つとして、いずれかのサイトを XML バックアップとしてエクスポートして Confluence Server インスタンスにインポートし、Confluence Cloud Migration Assistant を活用して目的のクラウド サイトに統合する方法があります。これにより、クラウド サイトからサーバー インスタンスにアプリ (アドオン) ユーザーが移動されます。サーバーの世界においてアドオン ユーザーは一般的ではないため、クラウドに戻す移行の際にいくつかの問題が発生する可能性があります。移行の前に、これらのユーザーを削除または更新します。
6. 重複しているメール アドレスを修正する 必須
移行アシスタントは重複しているメール アドレスにフラグを付け、すべてのユーザーが一意のメール アドレスを持つまで移行を実行しません。プロアクティブな手順として、あらかじめ見つけて修正することをおすすめします。ユーザー情報が LDAP サーバー内で管理されている場合、移行前に LDAP サーバー内でメールを更新し、Confluence に同期しておく必要があります。ユーザー情報がローカルで管理されている場合、メールは Confluence Server の UI 経由で修正できます。
7. 重複しているユーザー名を修正する 必須
移行アシスタントは重複しているユーザー名にフラグを付け、すべてのユーザーが一意のユーザー名を持つまで移行を許可しません。これは、Confluence の内部ディレクトリと Confluence の LDAP ディレクトリ内に同じユーザー名のユーザーが存在する場合に発生する可能性があります。その場合は、移行を開始する前に、ユーザーの名前を変更するか、いずれかを削除します。
8. 制限されるグループの名前を変更する 必須
クラウド内に既に存在していたり、クラウドの関連機能に固有のグループだったりするために、移行されないグループがあります。これらのグループが移行前にサーバー インスタンスに存在している場合、グループベースのアクセスが保持されるよう、グループの名前を変更することが重要です。
9. ファイアウォールの許可ルールを更新する 必須
移行アシスタントは移行を実行するためにアトラシアンのドメインに接続します。ファイアウォールまたはリバース プロキシによってドメインがブロックされると、移行は失敗します。
10. アプリの移行方法を決定する 必須
Confluence Cloud Migration Assistant は、アプリまたはアドオン データを移行しません。移行するアプリ データがある場合、データを適切に移行する方法を事前にベンダーに問い合わせてください。これには、Confluence Questions や Team Calendars for Confluence などのアトラシアン製のアプリが含まれます。これらのアプリのいずれかを移行する必要がある場合、関連する機能リクエストをウォッチして最新情報を受け取ることができます。
11. パブリック アクセス設定を確認する 必須
Confluence Server またはクラウド サイトをインターネットに公開するように構成できます。移行前に、これまでに公開済みのスペースがサーバー内にあるかどうかを確認し、それらの匿名アクセスのセットアップを削除します (コンテンツを公開することが想定されている場合を除く)。パブリック アクセス設定のチェックの詳細は、こちらをご覧ください。
12. ヒープ割り当てを確認する 必須
移行するデータの量によっては、Confluence Server で OutOfMemory エラーが発生する場合があります。これにより、移行全体がクラッシュします。これを防ぐため、アプリケーションが 4 GB 以上のヒープ割り当てで実行していることを確認します (この値未満である場合は可能な限り近づけます)。
13. クラウド サイトのバックアップを作成する 推奨
移行先のクラウド サイトに既存のデータがある場合は、スペースのインポート前にバックアップします。
14. テスト移行を実行する 推奨
テストまたはステージング サイトへのテスト移行を行ってから最終移行を行うことを強く推奨します。移行テストのガイダンスをご参照ください。
15. 移行プランをサポートに共有する 推奨
週末や祝日に移行を行う場合、またはクラウド上のユーザーが 1,000 人以上になる場合は、2 週間以上前に移行サポート チームにお知らせください。弊社で人員を用意し、移行を支援いたします。
アトラシアンでのクラウドへの移行のサポートについてご確認ください。
スペース単位のインポート (XML) のチェックリスト
サーバーからクラウドに移行する際には Confluence Cloud Migration Assistant を使用することを強くおすすめします。この製品を使用できない場合や、Confluence Cloud にインポートするスペースが別のクラウド サイトからエクスポートされている (例: クラウドからクラウドへの移行) 場合は、移行を実行する前に次のチェックリストを使用します。
1. ユーザーの移行プランを確認する 必須
スペース エクスポートの XML は移行先のクラウド サイトに、ユーザー、グループ、またはグループのメンバーシップをインポートしません。つまり、これらのユーザーまたはグループに制限されているページがある場合、移行先のサイトでそのユーザーおよびグループを再作成しない限り、それらのページを参照することはできません。
2. 適切な権限があることを確認する 必須
移行を実行するユーザーが宛先のクラウド サイト内に存在し、サイト管理者権限を付与されていることを確認します。
3. アプリの移行方法を決定する 必須
スペース エクスポートの XML は、アプリのデータ (Team Calendars などのアトラシアン製アプリを含む) は移行しません。移行が必要なアプリを評価したあとに、アプリ データを移行できるかどうかをアプリの開発元に確認する必要があります。
4. Confluence Server のバージョンを確認する 必須
インポートするスペースが別のクラウド サイトのものである場合は、バージョンを確認する必要はありません。
Confluence Server または Data Center からスペースをインポートする場合、インスタンスがバージョン 6.13.x 移行を実行中であることを確認します。バージョンが古い場合、インポートは正常に機能しません。以前のバージョンを実行している場合、最初にアップグレードする必要があります。
5. XML の構造を確認する 必須
スペース エクスポートの XML が破損していないことを確認します。
6. 適切なタイプのエクスポートを持っていることを確認する 必須
インポートするファイルがスペース エクスポート (完全なサイト エクスポートでない) ことを確認します。スペース エクスポートではない場合、インポート プロセスは失敗します。
7. 重複しているスペース キーを確認する 必須
各スペースは一意のスペース キーに関連付けられています。インポートするスペースがクラウド内にすでに存在しているスペース キーを持つ場合、インポートは失敗します。
8. ヒープ割り当てを確認する 必須
移行するデータの量によっては、Confluence Server で OutOfMemory エラーが発生する場合があります。これにより、移行全体がクラッシュします。これを防ぐため、アプリケーションが 4 GB 以上のヒープ割り当てで実行していることを確認します (この値未満である場合は可能な限り近づけます)。
9. クラウド サイトのバックアップを作成する 推奨
移行先の Cloud サイトに既存のデータがある場合、スペースをインポートする前にそれらのデータをバックアップします。
10. テスト移行を実行する 推奨
テストまたはステージング サイトへのテスト移行を行ってから最終移行を行うことを強く推奨します。移行テストのガイダンスをご参照ください。
11. 移行プランをサポートに共有する 推奨
週末や祝日に移行を行う場合、またはクラウド上のユーザーが 1,000 人以上になる場合は、2 週間以上前にお知らせください。弊社で人員を用意し、移行を支援いたします。クラウド移行のサポートについてはご参照ください。
サイト インポート (XML) チェックリスト
この方法は、クラウド サイトに Confluence のみが存在する場合にのみ使用できます。この方法は多数の制限があるため、移行に使用するのは推奨されません。
Confluence Cloud Migration Assistant またはスペース単位でのインポートを活用する代わりにこの方法を使用する必要がある場合は、サポートにご連絡ください。お客様の移行に最適なアプローチの決定のお手伝いをさせていただきます。
詳細情報とサポート
移行をサポートする多数のチャンネルをご用意しています。
移行の詳細な計画情報や FAQ については、Atlassian Cloud 移行センターを参照してください。
技術的な問題が発生していたり、戦略やベスト プラクティスで支援が必要な場合、お問い合わせください。
また、アトラシアン コミュニティもご利用ください。
エキスパートによる支援が必要な場合、アトラシアン パートナーにご相談ください。