Data Center のアーキテクチャとインフラストラクチャのオプション

本ガイドでは、Jira Software、Jira Service Management、Confluence、Bitbucket Data Center のデプロイ時に利用できるアーキテクチャとインフラストラクチャの各オプションの概要をご説明します。

アーキテクチャ オプション

以下の 2 つの方法で Data Center をデプロイできます。

オプション説明 推奨ユース ケース
非クラスタ (単一ノード)

アプリケーション (Jira、Confluence、または Bitbucket) を単一のサーバーまたはノードで実行します。

  • クラスタ固有の機能 (高可用性など) がすぐには必要とされない場合。
  • 適切な設定で構成済みの既存の Server インストールを持っていて、Data Center にアップグレードする際に同じインフラストラクチャを使用したい場合。
クラスタ化

アプリケーション (Jira、Confluence、または Bitbucket) を、クラスタ内に構成された複数のアプリケーション ノードで実行します。このアーキテクチャには、ロード バランサなどの特別なコンポーネントが必要です。

  • 高可用性や、クラスタ化によって提供される Data Center 機能へのアクセスが必要な場合。


短期間に XLarge 規模まで成長することが見込まれる場合は、クラスター化されたアーキテクチャが最適である場合もあります。

サイズ プロファイルの詳細

自身のインスタンスのパフォーマンスを調査する場合、データのサイズと使用量を知っておくことが重要です。

参考として、各製品の参照用プロファイル ("Small"、"Medium"、"Large"、および "XLarge") を用意しました。このリファレンスは、収集する必要があるメトリックと、メトリックの値に対応するインスタンスのサイズの一覧です。

Server 製品は、非クラスター アーキテクチャしかサポートしていません。Data Center は、非クラスター オプションとクラスター オプション両方をサポートしています。

非クラスタ (単一ノード)

このセットアップでは、Server インストールと同様に、Data Center アプリを単一のサーバーで実行します。

図: 非クラスタ Data Center アーキテクチャの例

アトラシアン Data Center 製品の非クラスタ インストールの図

上の図が示すように、単一ノードにデプロイされた Data Center は、Server インストールと同様に、次の要素で構成されます。

  • 単一ノードで実行される Jira、Confluence、または Bitbucket
  • Jira、Confluence、または Bitbucket が読み取り/書き込みを行うデータベース

メリット

既存の Server インストールがある場合は、Data Center にアップグレードする際にそのインフラストラクチャを引き続き使用できます。Data Center 専用の多くの機能 (SAML シングル サインオンレート制限によるシステムの保護CDN サポートなど) では、クラスタ インフラストラクチャは不要です。Server インストールのライセンスをアップグレードするだけで、Data Center のこれらの機能の使用を開始できます。

Data Center 製品とともに新しいインフラストラクチャをデプロイする場合は、Server インストール向けのアーキテクチャと同じものを使用できます。

非クラスター アーキテクチャが適している場合

一般に以下の場合は、非クラスタ Data Center デプロイを検討することをおすすめしています。

  • クラスタ化によって提供される Data Center 機能以外の機能が必要な場合
  • 現在のインフラストラクチャに満足しており、新しいインフラストラクチャをプロビジョニングせずに Data Center に移行したい場合
  • 高可用性が厳密な要件ではない場合
  • クラスタ アーキテクチャのパフォーマンスおよび拡張性のメリットがすぐには必要ではない場合

Considerations

非クラスタ Data Center のセットアップは非常に簡単ですが、いくつかの制限事項があります。アプリ サーバーが引き続き単一障害点になるので、高可用性やディザスタ リカバリ戦略はサポートできません。

一部のデプロイメントでは、サイズ プロファイルが "Large" または "XLarge" になるとパフォーマンスや安定性に問題が生じるようになります。ほとんどのクラスタ化されたデプロイメントには、インフラストラクチャを拡張して高負荷に対処する (さらに、低負荷時には縮小してコストを削減する) 柔軟性があります。AWS や Azure では、異常な動作を示すノードを新しいものに置き換えることで、安定性に関するほとんどの問題に迅速に対処することもできます。

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必要に応じてクラスタ構造に切り替え

非クラスター Data Center を選択した場合でも、あとでアーキテクチャを自由に変更できます。同じライセンスでいつでもクラスターを設定できます。再インストールは不要です。

クラスタ化 

Data Center では、クラスターで複数のノードを使用してアプリを実行し、ロード バランサーでトラフィックを転送します。これは、すべてのチームの生産性を確保するために高可用性と大規模なパフォーマンスが必須である組織にとって重要となります。


図 クラスタ化された Data Center アーキテクチャの例

クラスタ化されたセットアップには以下が含まれます。

  • 複数の同一のアプリケーション ノード
  • トラフィックをすべてのアプリケーション ノードに分散するロード バランサ
  • 共有ファイル システム
  • すべてのノードが読み取りと書き込みを行う共有データベース
  • Bitbucket では、すべてのノードが読み取りと書き込みを行う ElasticSearch の専用ノードも必要となります。

メリット

クラスタ化には多数のメリットがあります。

  • 高可用性とフェイルオーバー : アプリケーション クラスタのいずれかのノードがダウンした場合、他のノードが負荷を引き受け、ユーザーは中断されることなくアプリケーションにアクセスできます。
  • 大規模環境でのパフォーマンス : クラスタにノードを追加すると、許容される同時ユーザー接続数が増え、ユーザーのアクティビティが増えた場合の応答時間が改善されます。特定の機能の専用ノードをデプロイすることもできます。
  • 即時に拡張可能: ダウンタイムや追加のライセンス料金なしでクラスタに新しいノードを追加できます。インデックスとアプリは自動的に同期されます。
  • ディザスタ リカバリ : オフサイトでのディザスタ リカバリ システムをデプロイして、完全なシステム停止の場合にもビジネス継続性を実現します。共有アプリケーション インデックスにより、素早く元の状態に戻って製品を実行することができます。

Considerations

非クラスター Data Center と比較すると、クラスター化には追加のインフラストラクチャと、より複雑なデプロイ トポロジが必要となり、管理に多くの時間とリソースを要する場合があります。AWS(Amazon Web Services)や Azure などのパブリック クラウド インフラストラクチャでデプロイすることにより、この複雑さを緩和できます。 

インフラストラクチャ オプション

アトラシアンの Data Center アプリケーションを任意のインフラストラクチャにデプロイすることもできます。

  • 独自の物理ハードウェア (オンプレミス) または仮想マシン
  • Data Center の Helm チャートを使用する Kubernetes クラスタ
  • AWS (Amazon Web Services) や Azure などのパブリック クラウド プロバイダ。これは、サービスとしてのインフラストラクチャ (IaaS) とも呼ばれます。

ご利用の環境に最適なインフラストラクチャ オプション

アトラシアンでは、お客様の組織の要件や既存の投資に最適なインフラストラクチャ オプションの選定は、お客様の判断にお任せしています。

AWS のようなクラウド プロバイダを利用してアトラシアン Data Center 製品をデプロイすることを選ぶお客様が増えています。これは、物理ハードウェアよりも費用対効果と柔軟性が高くなりうるためです。

Kubernetes クラスタにインストールする

Kubernetes を活用することで組織の規制要件を損なうことなく、大規模な管理エクスペリエンスを簡素化しながら、チーム間の俊敏性を高めることができます。

製品のデプロイに役立つように、Data Center Helm チャートが作成されています。これは、お客様のビジネス固有のニーズに合わせて設定できるカスタマイズ可能なテンプレートです。独自のハードウェアで実行するか、クラウド プロバイダーのインフラストラクチャで実行するかを選択することもできます。Kubernetes クラスタで製品を実行する方法の詳細をご確認ください。

パブリック クラウド プロバイダを使用した迅速なデプロイ

Azure Resource Manager テンプレート AWS クイックスタート テンプレートに対するアトラシアンのサポートは終了しましたテンプレートは今後も利用できますが、保守や更新は行われません。

より効率的で堅牢なインフラストラクチャと運用のセットアップのために、Helm チャートを使用して Data Center 製品を Kubernetes クラスターにデプロイすることをお勧めします。Kubernetes へのデプロイに関する詳細をご確認ください。

AWS は、現在、AWS クイック スタート テンプレートで使用される起動設定を起動テンプレートに切り替えることを推奨していますが、AWS クイック スタート テンプレートのサポートは終了しているため、アトラシアンではこの切り替えを行う予定はありません。そのため、このテンプレートを使用して起動設定を作成することはできません。

Data Center インフラストラクチャの設計とデプロイに役立つように、AWS クイック スタート テンプレートが用意されています。現在はまだ使用可能ですが、このデプロイ方法に対するアトラシアンのサポートと保守は終了しています。アトラシアンでは、Helm チャートを使用して Data Center 製品を Kubernetes クラスターにデプロイすることをお勧めしています。これは、Kubernetes には多くの利点があるためです。

AWS クイック スタート ツールは、お客様のさまざまなデプロイメントを考慮した既定値および設定を使用しています。また、アトラシアンのインフラストラクチャの推奨事項の多くも自動的に適用されます。クラスタ対応アーキテクチャのデプロイのために設計され、単一ノードから開始して必要に応じて拡張できるようになっています。

このオプションの必要事項については、製品ガイドをご覧ください。

AWS

AWS クイック スタート」で公開/ホストされているこれらのリソースでは、AWS のベスト プラクティスに従い、AWS CloudFormation テンプレートを使用して、AWS で Atlassian Data Center アプリをデプロイします。

Atlassian が提供するサービス

アトラシアンでは、各組織がそれぞれ適したソリューションを選択して実装できるように設計された幅広いサービスとプログラムを用意しています。Data Center ライセンスに含まれるサービスや有料サービスの詳細については、「エンタープライズ サービス」ページを参照してください。

最終更新日: 2024 年 2 月 29 日

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