Jira Data Center のサイズ プロファイル
アトラシアン Advisory Service およびサポート エンジニアが構成や環境の推奨を提案するにあたり、インスタンスの全体的なサイズに関する情報は非常に役立ちます。この情報はインスタンスの成長を予測するのにも役立つため、事前準備にも使用できます。
インスタンス サイズの見積もりに役立つメトリックを選定し、これらのメトリックに対し、"小" から "特大" の一連のプロファイル (サイズ階層) を作成しました。各メトリックは、さまざまなインフラストラクチャ サイズや構成のインスタンスを網羅する、幅広い Server および Data Center の顧客のケース スタディに基づいています。今後は、アトラシアン独自のインフラストラクチャとハードウェア推奨事項でこれらのプロファイルを使用することを検討しています。
インスタンスは、各メトリックで異なるプロファイルに当てはまる場合があります。たとえば、課題の数は "特大"、それ以外はすべて "中" 以下になる場合があります。インスタンスの全体的なサイズを確認する方法も後述しています。
メトリックの収集方法
Jira のシステム情報ページで、対象となる 2 つのメトリックを収集できます。
- "Jira 管理者" グローバル権限でログインします。
> [システム] を選択します。[トラブルシューティングとサポート] > [システム情報] を選択して [システム情報] ページを開きます。
以下のメトリックを書き出します。
- 課題
- プロジェクト
- ユーザー
- カスタム フィールド
- ワークフロー
- グループ
- コメント
また、課題ページから利用可能な次のメトリックも確認します。
- 権限スキーム (詳細は「プロジェクト権限の管理」を参照)
- > [課題] を選択します。
- [権限スキーム] を選択して権限スキーム ページを開きます。
- 表示される権限スキームの数を数えます。
- 課題セキュリティ スキーム (詳細は「課題レベルのセキュリティの設定」を参照)
- > [課題] を選択します。
- [課題セキュリティ スキーム] ] を選択して [課題セキュリティ スキーム] ページを開きます。
- 表示される課題セキュリティ スキームの数を数えます。
メトリックとサイズ プロファイルとの照合
次の値は、データベースが別のマシンで実行されている環境にのみ適用されます。
次のテーブルを使用して、メトリックに一致するプロファイルを確認します。
メトリック | サイズのプロファイル | ||
---|---|---|---|
小 | 中 | 大 | |
課題 | 〜 150,000 | 150,000 ~ 600,000 | 600,000 ~ 2,000,000 |
プロジェクト | 〜 200 | 200 > 800 | 800 ~ 2,500 |
ユーザー | 〜 1,000 | 1,000 ~ 10,000 | 10,000 ~ 100,000 |
カスタム フィールド | 〜 250 | 250 ~ 800 | 800 ~ 1,800 |
ワークフロー | 〜 80 | 80 ~ 200 | 200 ~ 600 |
グループ | 〜 2,000 | 2,000 ~ 10,000 | 10,000 ~ 50,000 |
コメント | 〜 250,000 | 250,000 ~ 1,000,000 | 1,000,000 ~ 4,000,000 |
権限スキーム | 〜 25 | 25 ~ 100 | 100 ~ 400 |
課題セキュリティ スキーム | 〜 50 | 50 ~ 200 | 200 ~ 800 |
"大" よりも大きいメトリックはすべて "特大" になります (2,000,000 以上の課題や 2,500 以上のプロジェクトなど)。
カスタム フィールドのサイズ プロファイル
カスタム フィールドの数は、インスタンスのパフォーマンスに大きく影響する可能性があります。適切に管理しない場合、この数が組織が実際に必要とする数よりも多くなり、組織のインフラストラクチャに余分な負担がかかる可能性があります。
カスタム フィールドのサイズ プロファイルは、インスタンスに適切な数のカスタム フィールドがあることを想定しています。つまり、管理者がカスタム フィールドの作成および管理を適切に実施していることを想定しています。詳細は、「Jira のカスタム フィールドを効率的に管理する」を参照してください。
全体のサイズ プロファイルを決定する
インスタンスの全体的なサイズ プロファイルは一般に、収集したメトリックのうちもっとも大きいサイズ プロファイルで決まります。そのため、1 つのメトリックが "大" になる場合、インスタンス全体のサイズ プロファイルも "大" とすることをおすすめします。
アトラシアンでは、これまでに扱ってきたさまざまな顧客インスタンスに基づき、このサイズ プロファイルはインスタンス全体のサイズを表すための指標に適していると考えています。インスタンス全体のサイズ プロファイルが大きくなると、負荷の増加によってインスタンスやインフラストラクチャの変更が必要になる可能性があることが確認されています。
この情報の活用方法
これらのメトリックを追跡し、インスタンス全体のサイズの成長速度を確認できます。時間ごとのデータ スナップショットを比較して、各メトリックの増加率を確認します。次に、これらの値を各メトリックのサイズ プロファイルと比較することで、インスタンスの全体的なサイズ プロファイルが次のレベルに到達するタイミングを予測できます。コンテンツやトラフィック プロファイルが次の段階になった場合、現在のインフラストラクチャを評価して、負荷の増加に対応するための拡張方法を検討することをおすすめします。
ハードウェア要件の推奨事項
インスタンスの成長速度がわかったら、将来の計画を立てます。さまざまなインスタンス サイズでのハードウェアのニーズについては、次のリソースをご参照ください。
Jira Data Center: AWS でのエンタープライズ インスタンスの推奨インフラストラクチャ: このページでは、Large および XLarge インスタンス用に適切なサイズのインフラストラクチャをデプロイするための推奨事項を説明しています。これらの推奨事項の根拠となったテストの方法や結果についても説明しています。
- Jira アプリケーション インストール要件: このページでは、さまざまな本番環境のシナリオ用に、ノードあたりの基本的なハードウェア ガイドラインを提供しています (詳細は、「本番用サーバーサイドのインストール要件」を参照してください)。
- クラスタ化された Jira 環境でのノード サイズ設定: このページでは、ノードのサイズ設定、メモリ割り当て、およびノードに対する CPU 要件の一般的な推奨事項について説明します。
- Jira の拡張: ここでは、特定のデータ セットに対する各 Jira バージョンの動作について説明する複数のページにリンクしています。各ページには、バージョンのテスト環境 (ノード ハードウェアの詳細を含む) についての情報が含まれます。
- Jira Data Center サンプル デプロイメントと監視戦略: このページでは、アトラシアンが保有している 2 つの Large サイズの公開 Jira インスタンスで使用しているアーキテクチャ、構成、およびハードウェアについて説明します。
データ膨張への対応
場合によっては、1 つのメトリックで全体のサイズ プロファイルを定義できることがあります。例えば、課題数が "大"、それ以外のすべてのメトリックが "小" になる場合があります。この大きなメトリックはパフォーマンスに影響を与える可能性があり、このようなメトリックを特定することでその管理方法を見つけることができます。たとえば、アーカイブによってプロジェクトや課題の数の増加を解決したり (「個別のプロジェクトの移動またはアーカイブ」を参照)、データを整理することでカスタム フィールドの増加を防いだりすることができます (「Jira のカスタム フィールドを効率的に管理する」を参照)。
インスタンスのサイズを抑える
一般に、インスタンス サイズは可能な限り常に確認することをお勧めします。また、次のメトリックは "中" 以下にすることをおすすめします。
- カスタム フィールド
- ワークフロー
- 権限スキーム
- 課題セキュリティ レベル
これらのメトリックが "大" 以上になると、インフラストラクチャの大規模な変更を必要とするレベルの負荷が発生する可能性があります。コスト管理の面から、サイズ プロファイルを制御することをおすすめします。一般に、大きな組織や複雑な組織であってもこれらを "小" 以下に抑えることが可能です。
アトラシアンへのデータの提供について
チケットを起票する場合、インスタンスの全体的なサイズ プロファイルを Advisory Services (契約済みの場合) またはサポート エンジニアにお知らせください。この情報はお客様のサポートに役立ちます。
また、インスタンスの分析データをアトラシアンに送信することもご検討ください。アトラシアンではこのデータを使い、数千人のユーザーのユーザー エクスペリエンスを調査し、便利な機能や改善の提供に活用しています。また、このページで紹介しているような平均プロファイルを作成し、より優れた構成や環境の推奨の提供のために使用することができます。
インスタンスで現在データを送信していない場合、アトラシアンで収集するデータ、送信方法、および登録方法について、データ収集ポリシーをご参照ください。
サポート チームの制限事項
サポートは一般的に推奨事項を提供しますが、やはり支援の量 (および深さ) には限界があります。公式のベスト プラクティスとプロフェッショナル サービス レベルのパフォーマンス チューニングの間には微妙な境界線があります。後者はサポートの対象から外れるものであり、サポート サービスのページにも同様のことが記載されています。
次のものはサポート対象外です。
- プロフェッショナル サービス
- システム & パフォーマンス チューニング
- デプロイ & キャパシティ プランニング
- インストレーション & アップグレード サービス
アトラシアンが提供しているのは、お客様がビジネス ニーズに基づいて実装できるオプション候補と見解を大まかにまとめたものです。