Confluence 8.5 長期サポート リリースのパフォーマンス レポート

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ユーザーが自分でテストを行わずに Confluence Data Center のパフォーマンスを測定できるように、アトラシアンがベンチマークをご提供します。

JiraJira Service Management の各パフォーマンス レポートと同様に、Confluence Data Center パフォーマンス レポートはバージョン間の一般的なパフォーマンス ベンチマークを提供します。このレポートには、とりわけ次の項目が含まれます。

  • Confluence の標準アクションのリグレッション テスト (次の「テスト手法」と「テスト環境」をご参照ください)

  • インデックス再作成、バックアップと復元などの影響の大きいタスク

  • さまざまなインフラストラクチャ構成での拡張テスト (垂直と水平)

このレポートは、Confluence Data Center 7.19 長期サポートリリースと Confluence Data Center 8.5 長期サポートリリースを比較しています。


長期サポート リリースについて

Confluence Data Center の定期的なアップグレードをお勧めします。組織の手続き上、年に 1 回程度しかアップグレードできない場合は、長期サポートリリースへのアップグレードが最適なオプションです。これによって、セキュリティ、安定性、データ整合性、パフォーマンスに関するクリティカルな問題に継続的にアクセスできます。

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ハイライト

アトラシアンは、他のすべての長期サポートリリース (LTS) と同様に、これまでと同等か、それ以上のパフォーマンスを実現することを目標にしています。Confluence Data Center 8.5 LTS テストでは、いくつかの改善点を除いて、製品全体でほぼ安定した性能が示されています。

Confluence Data Center の水平方向と垂直方向の拡張動作にポジティブな進歩が見られました。サイトのインデックス再作成が 36 % 速くなり、管理者にとってテスト対象のデータセットで 2 時間以上の節約となります。Confluence ユーザーが 8.5 にアップグレードすれば、ダッシュボードと検索の読み込み時間の短縮という利点を享受できます。アトラシアンが実施したテストにおけるハイライトは次のとおりです。

  • サイトのインデックス再作成の速度が 36% 上昇

  • 2 ノードによる水平方向の拡張によってサポートされるユーザーが 13% 増加

  • 垂直方向の拡張によってサポートされるユーザーが 4~13% 増加

  • ダッシュボードの表示速度が 10% 上昇

  • 検索速度が 8% 上昇

  • コメント速度が 7% 上昇

  • 小さな添付ファイル付きのページの表示速度が 7% 上昇

こうした改善のほとんどは、プラットフォームとライブラリのアップグレードへの投資と、7.19 以降のキャッシュ効率によるものです。

ブログ投稿の表示速度は、パフォーマンスの低下 (13% の速度低下) が見られた数少ないエリアの 1 つでした。現在、この原因を調査しています。アトラシアンでは、チームがワークスペース内を簡単に移動でき、できるだけ多くのお客様が自信を持って拡張できるよう、パフォーマンスと拡張性のさらなる改善に向けて、今後も取り組んでいく予定です。

パフォーマンス

このセクションでは、Confluence Data Center 7.19 Confluence Data Center 8.5 を比較します。どちらのバージョンでも、個々のアクションの応答時間を使用して、同様の広範なテスト シナリオを実行し、アクションを次のカテゴリに分類しました。

  • 小規模なアクション
  • 中程度の操作
  • 重い操作 (実行に時間がかかる)

パフォーマンスは、5,000 ユーザーのインスタンスでピーク トラフィックと推定されるユーザー負荷下で計測されました。アクションやテスト方法に関する詳細は「テスト手法」をご参照ください。

小規模なアクション

グラフは、小規模なアクションの応答時間 (ミリ秒単位) の違いを示しています。グラフの作成に使用されたデータは、次の拡張可能なコンテンツで確認できます。

データを表で確認: 軽量な操作

次のテーブルは、小規模なアクションの応答時間 (ミリ秒単位) を示しています。

操作

7.19 LTS

8.5 LTS

変更

ページを作成 (単一ユーザー)

631

615

3% 速度上昇

ページを公開する

485

483

変更なし

ページを公開 (小さな添付ファイル付き)

683

673

1% 速度低下

ページを公開 (大きな添付ファイル付き)

676

686

1% 速度低下

ページを表示

569

565

1% 速度上昇

ページを表示 (小さな添付ファイル付き)

669

 623

7% 速度上昇

ページを表示 (大きな添付ファイル付き)

663

663

変更なし

公開後にページを表示

527

535

2% 速度低下

公開後にページを表示 (小さな添付ファイル付き)

590

605

3% 速度低下

公開後にページを表示 (大きな添付ファイル付き)

608

 636

5% 速度低下

検索

682

    63

8% 速度上昇

ログイン

534

529

1% 速度上昇

ログアウト

575

592

3% 速度上昇

中程度の操作

グラフは、中規模なアクションの応答時間 (ミリ秒単位) の違いを示しています。グラフの作成に使用されたデータは、次の拡張可能なコンテンツで確認できます。

データを表で確認: 中程度の操作

次のテーブルは、中規模なアクションの応答時間 (ミリ秒単位) を示しています。

操作

7.19 LTS

8.5 LTS

変更

ページを作成 (コラボレーション)

1,551

1,565

1% 速度低下

ブログ投稿を作成

1,190

1,209

2% 速度低下

ブログ投稿を表示

1,019

 1,155

13% 速度低下

Edit page

1,298

1,315

1% 速度低下

ページを編集 (共有リンクから)

1,719

 1,798

5% 速度低下

ページを編集 (添付ファイル付き)

1,313

1,344

2% 速度低下

ダッシュボードの表示

1,178

 1,057

10% 速度上昇

ページへのいいね!

1,027

1,020

1% 速度上昇

添付ファイルをアップロード

3,452

3,599

4% 速度低下

添付ファイルを表示

2,120

2,099

1% 速度上昇

コメント

1,671

 1,562

7% 速度上昇

重い操作

グラフは、大規模なアクションの応答時間 (時間単位) の違いを示しています。グラフの作成に使用されたデータは、次の拡張可能なコンテンツで確認できます。

データを表で確認: 重い操作

次のテーブルは、1 つの大規模なアクションに要する時間 (時間単位) を示しています。

操作

7.19 LTS

8.5 LTS

変更

サイトのインデックス再作成

6 時間 38 分

4 時間 17 分

36% 速度上昇

バックアップと復元に関する注意事項

7.19 LTS からアップグレードする場合の、パフォーマンスと拡張性に関するもう 1 つのメリットは、Confluence のバックアップと復元システムが大幅に改善されたという点です。以前は信頼性が低く、失敗しやすかったものの、Confluence 8.3 でリリースされたアップデートによって、次の改善が行われました。

  • サイト全体のバックアップの速度が、中規模のインスタンスで 10 倍上昇、非常に大規模なインスタンスで最大 48 倍上昇

  • スペースのバックアップの速度が 8 倍上昇

  • サイトの復元は、追加のメモリを必要とせずにスケーリングしながら、はるかに高速になり、信頼性が向上

技術的な障壁のため、7.19 LTS ではバックアップと復元のテストを実行できませんでした。そのため、7.19 LTS からアップグレードする場合にこれらの改善が適切であることを考慮して、代わりに 8.3 リリースからの情報を含めました。

テーブルのデータを表示: バックアップと復元

次のテーブルは、バックアップと復元に要する時間を示しています。

操作

8.3 以前

8.3

変更

サイト全体のバックアップ

96 時間

               2 時間

速度が 48 倍上昇

スペースのバックアップ

1 時間 3 分

            8 分

速度が 8 倍上昇

サイトの復元

完了できませんでした

5 時間 30 分

大幅に改善されました

キャパシティ テスト

このセクションでは、さまざまなインフラストラクチャ構成をテストしました。ご利用のインフラストラクチャに最も近いものと比較できます。アクションを次のカテゴリに分類しました。

  • 水平拡張 (ノードの追加)

  • 垂直拡張 (キャパシティの追加)

これらのテストの目的は、Confluence のバージョン間でのベンチマーク測定です。そのため、これらのテスト構成は拡張オプションの比較には適していません。これらのテストは、Confluence のバージョン間の比較のみを示しています。

水平拡張

次のインスタンス タイプでテストしました。

  • m5.2xlarge インスタンス (1 ノード)

  • m5.2xlarge インスタンス (2 ノード)

  • m5.2xlarge インスタンス (4 ノード)

テーブルのデータを表示: 水平拡張

次のテーブルは、水平拡張時の最大ユーザー数を示しています。

操作

7.19 LTS

8.5 LTS

変更

1 ノード

852

   942

最大ユーザー数が 11 %増加

2 ノード

1,608

 1,817

最大ユーザー数が 13 %増加

4 ノード

2,494

2,560

最大ユーザー数が 3 %増加

垂直拡張

次のインスタンス タイプでテストしました。

  • m5.xlarge インスタンス (4vCPU と 16GiB)

  • m5.2xlarge インスタンス (8vCPU と 32GiB)

  • m5.4xlarge インスタンス (16vCPU と 64GiB)

テーブルのデータを表示: 垂直拡張

次のテーブルは、垂直拡張時の最大ユーザー数を示しています。

操作

7.19 LTS

8.5 LTS

変更

4vCPU & 16GiB

734

    791

最大ユーザー数が 8 %増加

8vCPU & 32GiB

1,608

 1,817

最大ユーザー数が 13 %増加

16vCPU & 64GiB

2,712

2,812

最大ユーザー数が 4 %増加

テスト手法

次のセクションでは、アトラシアンのパフォーマンス テストで使用するテスト環境 (ハードウェア仕様を含む) とテスト手法を詳しくご説明します。

テスト方法

次のテーブルは、テストで使用したデータセットを表しています。

データ

ページ

~900,000

ブログ投稿

~100,000

添付ファイル

~ 2,300,000

コメント

~ 6,000,000

スペース

~5,000

ユーザー

~5,000

実行した操作

最も一般的なユーザーのアクションの例を表す、さまざまなアクションを選択しました。このコンテキストにおけるアクションとは、ブラウザ ウィンドウで課題を開くなどの、完全なユーザー操作です。次のテーブルでは、ペルソナのテスト用にスクリプトに含めたアクションの詳細と、1 回のテスト中に各アクションが何回繰り返されるかを示しています。

操作

1 回のテストで操作を実行した回数

ページを作成 (単一ユーザー)

417

ページを公開する

255

ページを公開 (小さな添付ファイル付き)

37

ページを公開 (大きな添付ファイル付き)

19

ページを表示

497

ページを表示 (小さな添付ファイル付き)

124

ページを表示 (大きな添付ファイル付き)

38

公開後にページを表示

259

公開後にページを表示 (小さな添付ファイル付き)

41

公開後にページを表示 (大きな添付ファイル付き)

20

検索

2,092

ログイン

623

ログアウト

311

ページを作成 (コラボレーション)

623

ブログ投稿を作成

1,673

ブログ投稿を表示

311

Edit page

623

ページを編集 (共有リンクから)

623

ページを編集 (添付ファイル付き)

18

ダッシュボードの表示

623

ページへのいいね!

612

添付ファイルをアップロード

1,217

添付ファイルを表示

1,041

コメント

935

サイトのインデックス再作成

1

テスト環境

すべてのパフォーマンス テストは、一連の AWS EC2 インスタンス上で実行されました。テストのたびに環境全体をリセットして再構築し、各テストの最初にはインスタンス キャッシュをウォームアップするアイドル サイクルを実行しました。Confluence Data Center で使用された環境の詳細と、EC2 インスタンスの仕様を次に示します。

テストを実行するために、仮想ユーザーを表すスクリプトを組んだ 4 つのブラウザと、220 のバックグラウンド スレッドを使用して、アクションの実行にかかる時間を測定しました。各ブラウザのスクリプトは、定義済みのアクション リストからランダムにアクションを実行して、ただちに次のアクションに移る (つまり思考時間がゼロになる) ように記述されていました。各バックグラウンド スレッドも同様に、バックエンド API 呼び出しのリストからランダムなアクションを実行して、すぐに次の呼び出しに進むように記述されていました。その結果、各ブラウザ/スレッドは、実際のユーザーが実行できるよりもはるかに多くのタスクを実行していました。

各テストを実行する前に、5 分間のウォームアップから開始して、次に各テストを 60 分間実行しました。

キャパシティ テストでは、仮想ユーザーを表すバックグラウンド スレッドの数を、飽和点に達するまで徐々に増やしました。

一貫した結果を得るために、すべてのテストを何度も実行しました。

Confluence Data Center テスト環境の詳細は次のとおりです。

  • Confluence ノード 2 個

  • 別のノード上にあるデータベース

  • 別のノード上にあるロード ジェネレーター

  • 別の NFS Server ノード上にある共有ホーム ディレクトリ

  • Load Balancer (AWS ALB Application Load Balancer)

Confluence Data Center (2 ノード)

ハードウェア

ソフトウェア

EC2 タイプ

m5.2xlarge

Operating system

Amazon Linux 2

vCPU

8

Java プラットフォーム

Java 11.0.9.1

メモリ (GiB)

32

Java オプション

8 GB ヒープ

物理プロセッサ

Intel Xeon Platinum 8175

Clock Speed (GHz)

3.1

CPU Architecture

x86_64

ストレージ

AWS EBS 200 GB gp2

データベース

ハードウェア

ソフトウェア

EC2 タイプ

db.m5.xlarge

データベース:

PostgreSQL 10.17

vCPU

4

オペレーティング システム:

Amazon Linux 2

メモリ (GiB)

16

物理プロセッサ

Intel Xeon Platinum 8175

CPU Architecture

64-bit

Clock Speed (GHz)

2.5

ストレージ

AWS EBS 700 GB gp2

NFS サーバー

ハードウェア

ソフトウェア

EC2 タイプ

m4.large

Operating system

Amazon Linux 2

vCPU

2

メモリ (GiB)

8

vCPU あたりのメモリ (GiB)

4

物理プロセッサ

Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2686 v4

Clock Speed (GHz)

2.3

CPU Architecture

x86_64

ストレージ

AWS EBS 100 GB gp2

ロード ジェネレーター

ハードウェア

ソフトウェア

vCPU

5

Operating system

Ubuntu 22.04.3 LTS

メモリ (GiB)

20

Python Version

3.11

物理プロセッサ

Intel(R) Xeon(R) Platinum 8375C

Clock Speed (GHz)

2.9

CPU Architecture

x86_64

注: キャパシティ テストでは、Confluence ノード 1/2/4 個、または適切な EC2 サイズ m5.xlarge/m5.2xlarge/m5.4xlarge のいずれかで構成される環境を使用しました

最終更新日 2023 年 8 月 23 日

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