Jira Service Management 4.20.x 長期サポート リリースのパフォーマンス レポート
このページでは、Jira Service Management 4.13 (旧称 Jira Service Desk) と Jira Service Management 4.20 長期サポート リリースのパフォーマンスを比較しています。
長期サポート リリースについて
Jira Service Management を定期的にアップグレードすることをお勧めします。組織のプロセスによって年に 1 回しかアップグレードできない場合、バージョンのサポート終了までの間の重大なセキュリティ、安定性、データ整合性、パフォーマンスの問題に継続的にアクセスできる、長期サポート リリースへのアップグレードをお勧めします。
パフォーマンス
他の長期サポート リリースと同様に、これまでと同等かそれ以上のパフォーマンスを実現することを目標にしています。Jira Service Management 4.20 のテストでは、キューの表示、ワークロード レポートの表示、チーム メンバーの招待で、パフォーマンスに大幅な改善が見られました。このリリースには、Jira Service Management Data Center 4.15 に Insight アセット管理アプリをバンドルするようになって初めて、Insight アセット管理の主なベンチマークが含まれます。
このセクションでは、Server と Data Center の両方について、Jira Service Management 4.13 を Jira Service Management 4.20 と比較します。両方のバージョンについて、4 つのカテゴリに分けられる広範なテスト シナリオを実行しました。
軽量な操作
中程度の操作
重い操作 (実行に時間がかかる)
Insight の操作 (アセット管理機能に関連)
パフォーマンスは、5000 ユーザーのインスタンスでのピーク トラフィックを推定したユーザー負荷で計測されました。操作やテスト方法の詳細については「テスト手法」をご確認ください。
軽量な操作
個々の操作における違いです。グラフに使われたデータはグラフの下部で確認できます。
中程度の操作
個々の操作における違いです。グラフに使われたデータはグラフの下部で確認できます。
重い操作
個々の操作における違いです。グラフに使われたデータはグラフの下部で確認できます。
Insight の操作
個々の操作における違いです。グラフに使われたデータはグラフの下部で確認できます。
概要
パフォーマンスは高負荷下においても製品を横断して安定しており、いくつかの改善が見られました。次のようなハイライトがあります。
キューの表示が2.2 倍高速
ワークロード レポート (中) の表示が 2 倍高速
チーム メンバーの招待が 1.7 倍高速
例外として、組織ページの表示において 300 ms の軽微な劣化が見られました。
アトラシアンでは、サービス デスク チームがワークスペースで簡単に移動でき、最大規模のお客様が自信を持って拡張できるよう、パフォーマンスの改善について今後も投資を続けていきます。
テスト手法
以下のセクションでは、当社のパフォーマンス テストで使用するテスト環境 (ハードウェア仕様を含む) とテスト方法を詳しく説明します。
テスト方法
テストを開始する前に、一般に大規模な Jira Service Management インスタンスを表すデータセットのサイズと内容を決定する必要がありました。これを実現するために分析データを使用して、お客様の環境の全体像や、最大規模の組織で Jira Service Management を拡張する際にお客様が直面する問題を把握しました。
また、Jira Service Management Data Center の一部となった Insight のデータセットも用意しました。
次の表では、各データ ディメンションの 99 番目で切り捨てています。これらの値を使用して、ランダムなテスト データを含むサンプル データセットを生成しました。
基準となるデータ セット
データ | 値 |
---|---|
コメント | 609570 |
コンポーネント | 7195 |
カスタム フィールド | 42 |
グループ | 3 |
課題タイプ | 13 |
課題 | 302109 |
優先度 | 5 |
プロジェクト | 1001 |
解決状況 | 8 |
画面スキーム | 2395 |
画面 | 14934 |
ステータス | 23 |
ユーザー | 101003 |
バージョン | 3 |
ワークフロー | 3717 |
Insight のデータセット
データ | 値 |
---|---|
オブジェクト スキーマ | 6 |
オブジェクト タイプ | 341 |
オブジェクト | 315837 |
属性 | 2488972 |
実行した操作
最も一般的なユーザー操作の例を表す混合操作を選択しました。このコンテキストにおける操作とは、ブラウザ ウィンドウで課題を開くなどの、完全なユーザー操作です。次の表は、ペルソナのテスト用にスクリプトに含めた操作の詳細と、1 回のテスト中に各操作が何回繰り返されるかを示しています。
軽量、中程度、および重い操作
操作 | 説明 | 1 回の実行で操作を行った回数 |
---|---|---|
カスタマー ポータルでリクエストにコメントを追加 | ポータルでランダムなカスタマー リクエストを開き、エージェントとしてランダムなコメントを追加します。 | ~260 |
カスタマーリクエストを作成 | カスタマー ポータルを開き、課題の要約と説明を入力し、リクエストを送信します。 | ~170 |
チームの招待 | 左側のメニューの [チームの招待] を選択し、1,000 エージェントのインスタンスでエージェントを検索して [招待] ボタンをクリックし、成功の確認を待ちます。 | ~220 |
リクエストからカスタマーを削除 | ポータルでカスタマー リクエストを開き、[共有先] 列でランダムなカスタマーを削除します。 | ~170 |
リクエストから組織を削除 | ポータルでランダムなカスタマー リクエストを開き、[共有先] 列でランダムな組織を削除します。 | ~170 |
リクエストを共有する組織を検索 | ポータルでランダムなカスタマー リクエストを開き、リクエストを共有するランダムな組織を検索します。 | ~170 |
リクエストを共有するカスタマーを検索 | ポータルでランダムなカスタマー リクエストを開き、リクエストを共有するランダムなカスタマーを検索します。 | ~170 |
カスタマー ポータルで組織とリクエストを共有 | ポータルでランダムなカスタマー リクエストを開き、リクエストをランダムな組織と共有します。 | ~200 |
カスタマー ポータルでカスタマーとリクエストを共有 | ポータルでランダムなカスタマー リクエストを開き、リクエストをランダムなカスタマーと共有します。 | ~170 |
ワークロード レポート (小) の表示 | オープンな課題がないプロジェクトのワークロード レポートを表示します。 | ~120 |
ワークロード レポート (中) の表示 | 1,000 件の割り当て済みの課題と 700 人のエージェントを持つプロジェクトのワークロード レポートを表示します。 | ~140 |
キューの表示: すべてのオープンな課題 | 10,000 件を超えるオープンな課題を持つプロジェクトでデフォルトのサービス キューを表示します。 | ~420 |
キューの表示: 小 | 10,000 件を超えるオープンな課題を持つプロジェクトで、ほとんどの課題をフィルタリングするカスタムのサービス キューを表示します。 | ~440 |
キューの表示: SLA があるキュー | 10,000 件を超えるオープンな課題を持ち、各課題に 6 件の SLA 値があるプロジェクトで、カスタム サービス キューを表示します。 | ~380 |
カスタマー ページの表示 | 100,000 人のカスタマーを持つプロジェクトで [顧客] ページを表示します。 | ~200 |
組織ページの表示 | 50 個の組織と 300 人のカスタマーを持つプロジェクトで [顧客] ページを表示します。 | ~250 |
ポータル ページの表示 | 一意のヘルプ センター リンクを選択することで、すべてのカスタマー ポータルを含むヘルプ センターを表示します。 | ~480 |
レポートの表示: 作成済 vs 解決済 | タイムラインに 10,000 件を超える課題がある、作成済 vs 解決済レポートを表示します。 | ~130 |
レポートの表示: 解決までの時間 | タイムラインに 10,000 件を超える課題がある、解決までの時間レポートを表示します。 | ~170 |
リクエストの表示 | カスタマー ポータルで [マイ リクエスト] 画面を表示します。 | ~490 |
リクエストの表示: フィルターを使用 | カスタマー ポータルで、要約の 1 つの単語でフィルタリングした状態の [マイ リクエスト] 画面を表示します。 | ~490 |
サービス課題の表示 | エージェント ビューで、6 つの SLA 値を持つサービス課題を表示します。。 | ~490 |
カスタマー ポータルでカスタマー リクエストを表示 | カスタマー ポータルでランダムな課題を表示します。 | ~560 |
ウェルカム ガイドの表示 | 左側のメニューから [ウェルカム ガイド] を表示します。 | ~150 |
Insight の操作
操作 | 説明 | 1 回のテストで操作を実行した回数 |
---|---|---|
オブジェクトを作成 | 既存のオブジェクト スキーマで Insight オブジェクトを作成します。 | ~170 |
オブジェクト スキーマ ページの読み込み | 既存のオブジェクト スキーマを開きます。 | ~530 |
オブジェクト ページでオブジェクトを表示 | Insight のオブジェクト ビュー ページでオブジェクトを開きます。 | ~260 |
Insight オブジェクト タイプ列を含むキューの表示 | 結果に Insight オブジェクトの列を含むカスタム キューを表示します。約 1000 件の課題が返されることが期待されます。 | ~420 |
IQL を使用したオブジェクトの検索 | 既存のオブジェクト スキーマで IQL を使用してオブジェクトを検索します。 | ~200 |
カスタマー ポータルで、Insight カスタム フィールドを含むリクエストを表示 | Insight のカスタム フィールドを 1 つ含むカスタマー リクエストを開きます。 | ~450 |
エージェント ビューで、Insight カスタム フィールドを持つ課題を表示 | Insight のカスタム フィールドを 1 つ含む課題を開きます。 | ~210 |
ユーザー操作のテスト環境
すべてのパフォーマンス テストは、一連の AWS EC2 インスタンス上で実行されました。テストごとに環境全体をリセットおよび再構築し、各テストの最初にはインスタンス キャッシュをウォームアップするためのアイドル サイクルを実行しました。以下で、Jira Service Desk Server および Data Center で使用された環境の詳細や、EC2 インスタンスの仕様を確認できます。
テストを実行するため、スクリプトを組んだブラウザを 21 個使用し、操作の実行にかかる時間を計測しました。各ブラウザのスクリプトは、定義済みの操作リストからランダムに操作を実行し、すぐに次の操作に移る (つまり思考時間がゼロになる) ように記述されています。これによって各ブラウザは実際のユーザーが可能なタスクよりも実質的に多くのタスクを実行するため、ブラウザの数が実際の同時実行ユーザー数と等しくなると解釈することはできません。
各テストは 40 分間実行され、その後、統計情報が収集されます。
ここでは、テスト環境の詳細について説明します。
Jira Service Desk Server | Jira Service Desk Data Center |
---|---|
環境の構成内容:
| 環境の構成内容:
|
Server 用の Jira Service Desk | |||
---|---|---|---|
ハードウェア | ソフトウェア | ||
EC2 タイプ: | Server 用に 1 ノード | Operating system | Ubuntu 16.04LTS |
CPU: | Intel Xeon E5-2666 v3 (Haswell) | Java プラットフォーム | Java 1.8.0 |
CPU コア: | 36 | Java オプション | 16 GB ヒープ |
メモリ | 60 GB | ||
ディスク: | AWS EBS 100 GB gp2 |
DC 用の Jira Service Desk | |||
---|---|---|---|
ハードウェア | ソフトウェア | ||
EC2 タイプ: | Server 用に 1 ノード | Operating system | Ubuntu 16.04LTS |
CPU: | Intel Xeon Platinum 8000 シリーズ (Skylake-SP) | Java プラットフォーム | Java 1.8.0 |
CPU コア: | 16 | Java オプション | 16 GB ヒープ |
メモリ | 32 GB | ||
ディスク: | AWS EBS 100 GB gp2 |
データベース | |||
---|---|---|---|
ハードウェア | ソフトウェア | ||
EC2 タイプ: | m4.2xlarge (「EC2 タイプ」を参照) | データベース: | MySQL 5.5 |
CPU: | Intel Xeon E5-2666 v3 (Haswell) | オペレーティング システム: | Ubuntu 16.04LTS |
CPU コア: | 8 | ||
メモリ | 32 GB | ||
ディスク: | Jira Service Management Server: Jira Service Management Data Center: |
ロード ジェネレーター | |||
---|---|---|---|
ハードウェア | ソフトウェア | ||
EC2 タイプ: | c4.8xlarge (「EC2 タイプ」を参照) | オペレーティング システム: | Ubuntu 16.04LTS |
CPU: | Intel Xeon E5-2666 v3 (Haswell) | ブラウザ: | ヘッドレス Chrome |
CPU コア: | 36 | 自動化スクリプト: |
|
メモリ | 60 GB | ||
ディスク: | AWS EBS 30 GB gp2 |
インデックス測定用のテスト環境
Server 用の Jira Service Desk | |||
---|---|---|---|
ハードウェア | ソフトウェア | ||
EC2 タイプ: | Server 用に 1 ノード | Operating system | Ubuntu 16.04LTS |
CPU: | Intel Xeon E5-2666 v3 (Haswell) | Java プラットフォーム | Java 1.8.0 |
CPU コア: | 36 | Java オプション | 16 GB ヒープ |
メモリ | 60 GB | スレッドのインデックス | 既定 (4.20 では 10、4.13 では 20) |
ディスク: | AWS EBS 100 GB gp2 |
データベース | |||
---|---|---|---|
ハードウェア | ソフトウェア | ||
EC2 タイプ: | m4.2xlarge (「EC2 タイプ」を参照) | データベース: | MySQL 5.5 |
CPU: | 2.4 GHz Intel Xeon E5-2676 v3 | オペレーティング システム: | Ubuntu 16.04 LTS |
CPU コア: | 8 | ||
メモリ | 32GB | ||
ディスク: | Jira Service Management Server: Jira Service Management Data Center: |