Jira Service Management の承認の設定

Jira Service Management ではワークフローのステータスに承認ステップを追加して、ワークフローにマッピングされている課題タイプ (および関連するリクエスト タイプ) に承認が必要かどうかを指定できます。承認ステップを追加するオプションは、ワークフローが 1 つ以上の Jira Service Management プロジェクトに関連付けられている場合にのみ利用できます。承認ステップを追加したワークフローが Jira Service Management 以外のプロジェクトで使用される場合、そのプロジェクトでは通常の方法で課題に取り組むことができますが、課題で承認ステップを強制することはできません

ワークフローには複数の承認ステップを追加することが可能です。また、承認ステップで 1 人以上の承認が必要かどうかを指定できます。たとえば、まず管理者がリクエストを承認し、次に財務チームの 2 人のメンバーがリクエストの最終承認を行うようにできます。顧客に承認者を選択してもらうかどうか、または定義済みのリストから承認者を選択するかどうかも指定できます。

承認を強制する場合、リクエストが進行するためには承認者の承認が必須となり、ステータスの承認ステップは却下承認の 2 つの送信先トランジションのみを持つように設定する必要があります。2 つ以上の送信先トランジションを持つようにステータスの承認ステップを設定することもできますが、強制できるのはこのうち 2 つのみとなり、追加のトランジションは Jira Service Management エージェントが操作します。たとえば、承認を待てない特別な事情があるような事情に備えて、リクエストを手動で進める方法が必要な場合があります。

承認ステップを備えたステータスに追加のトランジションを設定することにより、エージェントによるリクエストの進行が可能となります。承認ステップで使用されるトランジションはトランジション画面をスキップするため、拒否または承認トランジションが "完了" ステータスに進む場合、Jira Service Management のクローズとみなせるように、リクエストの解決状況を設定する事後操作を追加します。

ワークフローで承認トランジションが必要です。画像の下に注釈の説明があります。

  1. 却下: このトランジションは「完了」ステータスへ移動します。解決策を設定してリクエストを終了する事後操作が必要です。
  2. 説明: ステータスの説明から生成されますが、カスタマー ポータルには表示されません。

動作の仕組み

承認ステップは、ワークフロー ステータスに設定できる追加の設定項目です。リクエストがこのステータスに遷移すると、指名された承認者は保留中の承認があることを知らせるメールを受け取ります。承認ステップが既存の 2 つの送信先トランジションのみを持つ場合、承認者がリクエストを承認または却下するまで、ほかのユーザーは操作することができません。エージェントは承認者を追加、編集、削除できますが、承認が完了するまではリクエストをトランジションできません。3 つ以上の既存のトランジションがある場合、エージェントは承認ステップで却下または承認に使用されないトランジションを経由して、課題を遷移させることができます。

JIRA インスタンスにユーザ ピッカー カスタム フィールドを追加し、ワークフローの承認ステップを設定するには、JIRA 管理者グローバル権限を持っている必要があります。リクエスト タイプにフィールドを追加するには、JIRA 管理者グローバル権限またはそのプロジェクトの管理者プロジェクト ロールを持っている必要があります。

1. インスタンスに定義済みのユーザ ピッカー カスタム フィールドがあることを確認します。

ユーザ ピッカー カスタム フィールド(マルチユーザ)はインスタンスに定義されている必要があり、承認ステップを追加するワークフローに関連付けられている作成および編集画面に追加される必要があります。2つ以上の承認ステップに同じフィールドを使用することができますが、同じワークフローに2つ以上の承認ステップが必要な場合には、混乱を避けるため、異なるユーザ ピッカー カスタム フィールドを各承認ステップに使用することをお勧めします。リクエスト タイプについて、カスタマー ポータルに追加できるように、ユーザ ピッカー カスタム フィールドの名前を覚えておいてください。

2. ワークフローに承認ステップを追加します。

Jira Service Management のリクエスト タイプは Jira の課題タイプにマッピングされ、課題タイプはワークフローにマッピングされます。ワークフローに承認ステップを追加すると、そのワークフローにマッピングされているすべての課題タイプに適用されるため、すべてのリクエスト タイプが同様に影響されます。承認ステップがすべての課題タイプに対して有効であることを確認することが重要です。複数のリクエスト タイプに適用されるワークフローにマッピングされる 1 つのリクエスト タイプに承認ステップを追加したい場合、リクエスト タイプにマッピングするための個別ワークフローおよび課題タイプを作成する必要があります。この方法についての詳細情報は、「課題タイプの作成」、「プロジェクトへの課題タイプの関連付け」、「ワークフローで作業する」を参照してください。

承認ステップを追加する前に、ステータスに少なくとも2つのアウト トランジションがあることを確認する必要があります。拒否または承認を使用するトランジションのいずれかを完了カテゴリにあるステータスにリードする場合、リクエストの解決状況を設定するトランジションの事後操作も設定する必要があります。

承認ステップを追加する方法:

  1. 画面右上で [管理] > [プロジェクト] の順に選択して、該当のプロジェクトを選択します。
  2. プロジェクト設定メニューでワークフローを選択します。プロジェクトに関連付けられているすべてのワークフローが表示されます。
  3. 編集するワークフローの [アクション] 列の [編集] を選択します。
  4. 承認ステップを追加したいステータスを選択します。ステータス ダイアログが表示されます。
  5. ステータス ダイアログの承認の追加チェックボックスをチェックします。承認の追加ダイアログが表示されます。
  6. ユーザ ピッカー カスタム フィールドで承認の追加ダイアログに、何人の承認者が必要か、どのトランジションを承認および拒否に使用するかを入力します。
  7. 作成をクリックして承認ステップを追加します。

公開をクリックして、ワークフローを利用可能にすることを忘れないで下さい。承認ステップを使用するトランジションが完了カテゴリのステータスにリードする場合、リクエストの解決状況がクローズとして表示されるように設定する事後操作があることも確認してください。

3. ユーザ ピッカー カスタム フィールドを設定します。

使用ケースに応じて、承認ステップで選択したユーザ ピッカー カスタム フィールドを構成する方法が3つあります。

  1. 顧客に承認者を選んでもらう場合 - これは自分が承認者が誰になるか知らない場合に有用ですが、顧客は例えばその上司を選択します。このシナリオでは、顧客がリクエストを作成した際に選択することができるように、ユーザ ピッカー カスタム フィールドはポータルで利用可能であることを確認する必要があります。
    リクエスト タイプにユーザ ピッカー カスタム フィールドを追加する方法:
    1. 画面右上で [管理] > [プロジェクト] の順に選択して、該当のプロジェクトを選択します。
    2. プロジェクト リストから必要なプロジェクトを選択します。
    3. プロジェクト設定メニューメニューで、リクエスト タイプを選択します。
    4. フィールドを追加するリクエスト タイプの操作列で、編集フィールドを選択します。
    5. + フィールドの追加をクリックし、追加するフィールドを選択して適用をクリックします。フィールドがリクエスト タイプに追加されます。
    6. 選択してテキストを入力することで、表示名(カスタマー ポータルで表示する名前)とフィールド ヘルプ(カスタマー ポータルでフィールドの隣に表示される情報)フィールドを編集します。この時点でフィールドを任意にするかどうかを決めることもできます。更新をクリックして、変更を保存します。
    7. このフィールドは表示として追加されます。ドラッグ アンド ドロップでフィールドの順番を変更することができます。
  1. 事前定義済みの承認者リストを設定する場合 - 顧客が承認者を知らない場合、または自身がリクエストの承認者の候補を知っている場合に有用です。顧客はリクエストを作成した際に承認者を入力する必要がなく、承認ステップがあるステータスにリクエストが遷移したときに、事前定義済みの一連の承認者に通知が送信されます。このシナリオでは、上述のように、リクエストにユーザ ピッカー カスタム フィールドを追加し、それを非表示にするオプションを選択する必要があります。この時点で、Jira Service Management は承認者のリストを追加するように求めます。これを保存すると、フィールドが非表示になり、承認者のリストが設定されます。
  2. エージェントが承認者を指定する場合 - これは顧客が承認者を知らず、承認者がリクエストの情報に依存する場合に有用です。この場合、エージェントはリクエストを確認し、手動で承認者を追加する必要があります。サービス プロジェクトのリクエストを表示すると、ユーザー ピッカー カスタム フィールドがリクエストのユーザー セクションに表示されます。必要な変更をインラインで行うことができます。すべての承認者を一覧表示する承認セクションもありますが、これは編集できないことに注意してください。フィールドが表示されない場合、Jira 管理者に、まだプロジェクト画面で利用可能なフィールドを確認してもらう必要があります。
最終更新日 2021 年 5 月 7 日

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