IT サービスデスクを使用してインシデントを管理する
インシデント モデルは、サービスデスクがサービスの中断や停止について調査、記録、解決する際に役立ちます。Information Technology Infrastructure Library (ITIL) のインシデント管理ワークフローは、ダウンタイムおよび悪影響の削減を目標としています。
インシデント管理は短期ソリューションに重点を置いています。再発するインシデントまたは根本的な問題を管理するには、「IT サービスデスクで問題を管理する」を参照してください。
IT Service Desk テンプレートにはインシデント管理ワークフローが組み込まれています。このワークフローを使用することで、確実にインシデントを記録、診断、および解決できます。このワークフローから開始して、ビジネスニーズに合わせて適宜変更を加えることをお勧めします。
適切に管理されていればインシデントレコードは以下を明らかにできます。
- 欠落しているサービス要件
- 潜在的な改善点
- 今後必要なチームメンバー研修
このページでは、Jira Service Management を使用してインシデントを管理するためのベストプラクティスをいくつか紹介します。ITIL の推奨事項を最適な形でビジネスに生かす方法を習得する正式なトレーニングを探すこともできます。
インシデント管理プロセス
IT Service Desk テンプレートは特定のリクエストをインシデントワークフローに関連付けます。このワークフローは、以下のインシデント管理プロセスを補完するため設定されています。このワークフローから開始して、使用していく中で特定のニーズに合わせて適宜変更を加えることをお勧めします。
ITIL インシデント管理プロセス (要約):
- サービスのエンドユーザー、監視システム、または内部の IT メンバーが中断を報告します。
- サービスデスクはインシデントを説明し、ログに記録します。また、サービス中断に関連するすべての報告を相互にリンクします。
- サービスデスクは日時、報告者名、およびそのインシデントの固有 ID を記録します。Jira Service Management はこれを自動的に実行します。
- サービス プロジェクト エージェントは、インシデントを適切に分類するラベルを付けます。チームはこれらの分類を、インシデント後のレビューの間と報告書作成で使用します。
- サービスデスクエージェントは影響と緊急性に基づいてインシデントの優先順位を付けます。
- チームはインシデント、影響を受けたサービス、および可能な解決策を診断します。エージェントはインシデントの報告者と連絡を取り、この診断の完了を支援します。
- 必要に応じて、サービス プロジェクト チームはインシデントを 2 次サポート担当者にエスカレーションします。これらの担当者は影響を受けたシステムを専門に修正する人々です。
- サービス プロジェクトはサービス中断を解決して、修正が正常に機能していることを確認します。解決状況は将来参照できるように、完全にドキュメント化されます。
- サービスデスクはインシデントをクローズします。
- チームメンバーは、重大なインシデントについてインシデント後のレビューを実施してください。これらの調査は以下の判定に役立つことがあります。
- 欠落している要件
- サービスレベルアグリーメントに対する潜在的な変更
- 潜在的なサービス改善点または重点領域
Jira Service Management でインシデント管理をセットアップする
インシデント管理ワークフロー アドオンを使用してワークフローとフィールドを設定する
ITIL フレームワークをベースにインシデント管理用のワークフロー アドオン (https://marketplace.atlassian.com/plugins/com.atlassian.servicedesk.incident/server/overview) が構築されました。
このテンプレートを独自のインシデント管理プロセスのテンプレートとして使用することができます。
Marketplace のワークフローを使用する方法
- Jira 管理者グローバル権限を持つユーザーとしてログインし、こちらに記載されている手順に従ってワークフローをインポートします。
- ワークフロー フィールドを追加するには、こちらの画面に従って画面をアクティブ化します: 画面を定義する
インシデント管理ワークフロー
インシデントレポートの既定のフォームフィールド
Jira Service Management では、カスタマーから収集する情報のフィールドをカスタマイズできます。さらに、エージェントが使用する情報のフィールドもカスタマイズできます。Jira Service Management では、課題タイプのフィールドおよび画面を通じてこれを実行します。エージェントはフィールドを利用して、レポート作成または照会のためにインシデントの調査、評価、および分類を行うことができます。
既定では、エージェントのインシデントのビューには次のフィールドが含まれます。必要に応じてカスタムフィールドを追加できます。Jira のフィールドについて詳細を読む。
フィールド名 | 説明 |
---|---|
要約 | リクエストの短い説明。 |
報告者 | リクエストの送信者。 |
コンポーネント | リクエストに関連する IT インフラストラクチャのセグメント。たとえば、"請求サービス" または "VPN サーバー" などです。これらはラベル付け、分類、およびレポートに使用されます。 |
添付ファイル | リクエストに追加されるファイルまたは画像。 |
説明 | リクエストの長く詳細な説明。 |
リンクされた課題 | リクエストに影響を与える、またはリクエストの影響を受ける他のリクエストの一覧。ビジネスで他のアトラシアン製品を使用している場合、この一覧に、リンクされている開発課題が含まれる場合があります。 |
担当者 | リクエストの作業に割り当てられているチーム メンバー。 |
Priority | リクエストの解決状況の重要性は通常、ビジネスのニーズと目標に関係しています。優先度が影響と緊急性によって計算されることもあります。 |
ラベル | レコードの分類またはクエリに使用される追加カスタム ラベルのリスト。 |
リクエスト参加者 | リクエストに参加している追加のカスタマー (他のチームやベンダーの人々など) のリスト。参加者について詳細を読む。 |
承認者 | リクエストを承認する責任を持つユーザーの一覧。通常は、ビジネス、財務、または技術担当者。 |
組織 | リクエストの解決状況に関心を持っているカスタマーの一覧。 |
影響 | インシデントの影響。通常は、サービスレベルアグリーメントに関連。 |
緊急性 | ビジネスにインシデントの影響が感じられる前に利用可能な時間。 |
保留理由 | インシデントが進行していない理由を示す短い説明またはコード。 |
製品分類 | リクエストが影響する IT 資産またはシステムのカテゴリ。 |
操作分類 | リクエストを遂行するために必要なアクションまたは機能の分類。 |
ソース | インシデントが発生した資産またはシステム。 |
IT サービス管理 (ITSM) について
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