管理チャート
レポート
このページの内容
このセクションの項目
関連コンテンツ
- 関連コンテンツがありません
管理チャートには、製品やバージョン、スプリントのサイクル タイムとリード タイムが表示されます。管理チャートでは、課題が特定のステータスで消費した時間を取り上げ、指定した期間にわたってグラフ化します。チャートには、このデータの平均、移動平均、標準偏差も表示されます。
管理チャートは、現在のスプリントから得られるデータを今後のパフォーマンスの決定に使えるかどうかを確認するのに役立ちます。課題のサイクル タイムの分散が少ないほど、その平均値 (または中央値) を今後のパフォーマンスの指標として使用することへの信頼度が高くなります。
以下に、管理チャートを利用する方法の一部を紹介します。
- ふりかえりでチームの過去のパフォーマンスを分析する
- 工程変更がチームの生産性に及ぼす影響を測定する
- 外部の関係者にチームのパフォーマンスを表示する
- カンバンの場合は、過去のパフォーマンスを使用してチームの目標を設定する
On this page:
- 課題詳細: 課題のサイクル タイムを表示します。
- タイム スケール: コントロール チャートを表示する期間を選択します。
- ズームイン: チャートの領域を強調表示して特定の期間に集中します。
- レポートの絞り込み: データを絞り込む列とフィルターを選択します。
コントロール チャートの表示
- 目的のボードに移動します。
- レポートをクリックし、次にコントロールチャートを選択します。
- 必要に応じて、管理図を設定します。本ページの上部にあるスクリーンショットでは、管理図の設定に使用できるコントロールを強調表示しています。
Internet Explorer 8 を使用している場合、管理チャートは動作しません。
管理チャートを印刷する
レポートを印刷するには、レポートを表示し、ブラウザの印刷機能を使用します。レポートは、A4 またはレター サイズのいずれかで、縦向き、横向きどちらでも印刷可能です (Chrome での横向き印刷には既知の問題があることにご注意ください)。
管理チャートを理解する
管理チャートの使用を始める前に、その動作について確認しておくことをおすすめします。管理チャートの主要な機能について、以下の Q&A で取り上げています。
サイクル期間は課題に取り組むのに費やされた時間です。一般的には、課題の作業が始まってから、この作業が完了するまでの時間です。その課題に取り組むために費やしたその他の時間も含まれます。たとえば、課題を再オープンしてそれに取り組み、再び完了した場合、この追加作業にかかった時間がサイクル期間に追加されます。
リード タイムはサイクル期間と似ていますが、課題の作業ログが記録された時点 (開始した時点とは異なる) から課題の作業が完了するまでに要した時間です。
サイクルタイム
サイクル期間を計算するのに使用されるステータスは、プロジェクトで使用しているワークフローによって異なります。課題に取り組んで消費した時間を表すステータスを含めるように管理チャートを設定する必要があります。管理チャートではこれらのステータスが自動的に選択される点にご注意ください。
たとえば、Jira Software 開発ワークフローを使用している場合に、ステータスが [進行中] に変わったら課題の作業を開始し、課題が [レビュー中] から [完了] に移行したら終了するとします。
これを管理チャートで設定するには、列として [進行中] と [レビュー中] を選択します。そうすることで、この 2 つのステータスで課題が消費した時間が表示されます。
選択した各ステータスで各課題が費やした時間を合計し、その合計を課題数で割ることで平均サイクル期間が計算されます。
たとえば、ステータス [進行中] と [レビュー中] で次の時間を費やした課題が 5 件あるとします。
課題 | 進行中 | In Review |
---|---|---|
ISSUE-1 | 1日 | 1日 |
ISSUE-2 | 2日 | 2日 |
ISSUE-3 | 2日 | 1日 |
ISSUE-4 | 1日 | 2日 |
ISSUE-5 | 2日 | 2日 |
この場合の平均サイクル期間は (1+1+2+2+3+1+1+3+2+3)/5 = 3.8 日になります。
サイクル期間の代わりにリード タイムを表示するように管理チャートを設定することもできます。
サイクル期間と同様、リード タイムの計算のステータスは、プロジェクトに使用しているワークフローによって異なります。たとえば、 Jira Software 開発ワークフローを使用している場合、ステータスが「作業前」になると課題がオープンされ、「レビュー中」から「完了」に移行すると完了になります。
課題がオープンされてから完了するまでの時間を表すステータスを含めるように管理チャートを設定する必要があります。管理チャートではこれらのステータスが自動的に選択される点にご注意ください。
これを管理チャートに設定するには、列として [作業前] と [レビュー中] を選択します。こうすることで、課題がオープンされてから完了するまでにかかった時間が表示されます。
選択した各ステータスで各課題が費やした時間を合計し、その合計を課題数で割ることで平均リード タイムが計算されます。
たとえば、ステータス [作業前]、[進行中]、[ レビュー中] で次の時間を費やした課題が 5 件あるとします。
課題 | 作業前 | 進行中 | In Review |
---|---|---|---|
ISSUE-1 | 2日 | 1日 | 1日 |
ISSUE-2 | 1日 | 2日 | 2日 |
ISSUE-3 | 2日 | 2日 | 1日 |
ISSUE-4 | 2日 | 1日 | 2日 |
ISSUE-5 | 2日 | 2日 | 2日 |
この場合の平均サイクル期間は (2+1+1+1+2+2+3+3+1+4+1+3+3+2+3)/5 = 6.4 日になります。
ローリング平均 (チャートの青線) は、時間ではなく課題に基づきます。チャートに表示される課題ごとに、その課題および前後の X 件の課題のサイクル タイムを平均し、その時点での) ローリング平均を算出します。表示される課題総数の 20 % (常に奇数、最少 5 課題) が計算に使用されます。
たとえば、下のスクリーンショットで、課題 (緑の点) が表示された時点でのローリング平均は、次のように計算されます。
- 対象の課題に加えて前後の 4 課題が検討されます (合計 9 課題)。
- 9 課題のサイクル タイムを平均します。
- 算出された平均まで青い線を引きます。
期間を "過去 2 週間" に短縮する場合、計算に使用可能な課題の総数が減るため、計算に使用する課題数が減ります。
この方法によって、安定したローリング平均線が描かれ、外れ値が分かりやすく表示されます (すなわち、ローリング平均が外れ値に向かって急激に逸れていくことがありません)。また、ローリング平均線の折れ曲がりが課題の位置と関係しているため、理解しやすくなります。
ローリング平均の計算が期間をもとにせず、課題総数に占める割合をもとにする理由について詳細を知りたい場合は、 「管理チャートのローリング平均を計算するさまざまな方法を比較する」 を参照してください。
管理チャートの青い斜線領域は、標準偏差 (実際のデータとローリング平均との偏差の量) を表します。
標準偏差は、データの信頼度を示す指標になります。たとえば、青色の帯状部分が狭くなっている (標準偏差が小さい) 場合、今後の課題のサイクル タイムはローリング平均に近づくことを予測できます。
図の凡例に示されるように、それぞれの点は課題や課題のグループ (クラスタ) を表します。
- 点の垂直方向の配置は、課題のサイクル タイム、すなわち "経過時間" を表します。課題のクラスタの場合、課題の平均サイクル タイムの位置に点が配置されます。
- 水平方向の配置は、図上で課題が選択したステータスから次のステータスに(列内で)トランジションした時間を示しています。たとえば、「Jira ソフトウェア開発」ワークフローを使用して、管理図の列項目で「進行中」と「レビュー中」を選択している場合、ドットが示しているのは、課題が「レビュー中」ステータスからトランジションした時間です。
図上の最長経過時間が 30 日未満の場合、 y 軸に線形目盛りが使用されます。経過時間が 30 日以上の場合は、対数目盛が使用されます。
期間を変更すると、経過時間が 30日を超えるような、以前にはなかった課題が含まれる場合があります。また、その逆の場合もあります。上に述べたように、このために目盛が変更されます。
経過時間を示す線形目盛
経過時間を示す対数目盛
ヒントと例
管理チャートを微調整して必要なデータを表示する方法については、次の例をご覧ください。
ヒント 1: 不要な外れ値を削除する
管理チャートは、外れ値を識別するのに役立ちます。詳しい調査の結果、特定の外れ値が人為的なエラーによるものであり、無効と判断してよい場合があります。たとえば、一度開始したが中断し、最終的にはバックログに戻ってきたものの、"作業前" ステータスには戻っていないストーリーがあるとします。この課題が "進行中" ステータスで消費した時間は管理チャートのデータを歪めることになります。
管理チャートから不要な外れ値を削除するには、外れ値である課題にそれぞれラベル (例: outlier) を追加し、JQL: labels is EMPTY or labels not in (outlier)
を使用してクイック フィルタを作成します。このクイック フィルタを使用するように管理チャートを設定します。
無効な外れ値を含む管理チャートの例
無効な外れ値が削除された管理チャートの例 ("経過時間" の目盛が狭くなっていることにご注意ください)
ヒント 2: 不要なトリアージ状況を削除する
管理チャートでは一般に、"修正済み" として解決済みの課題を追跡します。トリアージ後に、コピー、回答済み、他でのトラッキング等の対応で解決済みとなった課題が、データを歪曲し、平均サイクル タイムを大幅に低下させることがあります。
管理チャートから対象外のトリアージを削除するには、JQL: resolution in (Fixed)
を使用してクイック フィルタを作成します。このクイック フィルタを使用するように管理チャートを設定します。
解決状況が "Fixed" ではない課題を含む管理チャートの例
解決状況が "Fixed" ではない課題を除外した管理チャートの例 (サイクル タイムの平均が向上している点にご注意ください)
ヒント 3: 現在の作業を除外する
管理チャートは、選択した列にあったが現在はその列にはない課題のデータを表示します。これによって課題のサイクル タイム (総経過時間) がわかります。ただし既定では、ボード上を移動中の課題がこれに含まれます。
管理チャートに完了した作業だけを表示するには、JQL: status in (Resolved, Closed)
を使用してクイック フィルタを作成します。このクイック フィルタを使用するように管理チャートを設定します。
すべての課題を含む管理チャートの例
ステータスが "解決済み" または "クローズ" の課題のみを含む管理チャートの例
管理チャートを解釈する方法については、次の例をご覧ください。
例 1:
- チームの生産性が向上している: ローリング平均の下降傾向によって示されます。
- 今後の課題のサイクル タイムがローリング平均 (2日以下) に近くなる可能性がある: 標準偏差が小さい (青の斜線領域が狭い) ことで示されます。
例 2:
- チームの生産性が非常に安定している: ローリング平均が平均値に近いことによって示されます。
- 調査すべき明らかな外れ値が 14 日の火曜日と 15 日の水曜日にある (経過時間の平均値である 2 日間と比べると、それぞれ経過時間が 7 日間と 10 日間になっている)。
- 時間の経過とともに、データがより予測可能になってきている。
既知の問題
この一覧にない問題が発生した場合、アトラシアンの課題トラッカーで課題を起票してください。
JSWSERVER-16449 - Getting issue details... STATUS
JSWSERVER-20516 - Getting issue details... STATUS
JSWSERVER-16393 - Getting issue details... STATUS
JSWSERVER-21120 - Getting issue details... STATUS
JSWSERVER-12122 - Getting issue details... STATUS
JSWSERVER-21491 - Getting issue details... STATUS
次のステップ
サポートが必要ですか? お求めの回答がドキュメントで見つからなかった場合は、その他のリソースもご利用いただけます。「ヘルプの活用」をご確認ください。
関連トピックをご確認ください。
このセクションの項目
関連コンテンツ
- 関連コンテンツがありません