ナレッジベースをカスタマーに提供する
1. Confluence のインストール
ユーザー: Jira 管理者
ナレッジベース機能にアクセスするには、Confluence 5.10 以降および Jira Service Desk 3.1 以降が必要です。すべての機能を利用するためにそれぞれの最新バージョンを入手することをおすすめします。
手順
- 最新バージョンの Confluence をインストールします。
- 以下のいずれかの方法で、Jira と Confluence の両方に同じユーザー ベースを用意します。
- Jira と Confluence の両方で管理者であることを確認します。
考慮事項
- 製品間のバージョン互換性を確認するには、「Jira アプリケーションと Confluence を併用する」を参照してください。
Jira と Confluence で同じユーザー ベースを用意することで、カスタマー アカウントを手動で作成および維持する必要がなくなります。
2. 適切な数の Confluence ライセンスの取得
ユーザー: Jira 管理者
サービス デスク エージェントがナレッジベース記事を作成および編集するには Confluence ライセンスが必要です。ただし、サービス デスク顧客によるナレッジベース記事の参照では Confluence ライセンスは不要です。
考慮事項
- 詳細については、「Confluence のライセンスと価格」を参照してください。
3. Jira Service Desk を Confluence にリンクする
ユーザー: Jira 管理者
2 つのアプリケーションをリンクすることによって、情報を共有したり、片方のアプリケーションの機能やリソースにもう片方のアプリケーション内からアクセスしたりすることができます。
手順
- [Jira 管理] > [アプリケーション] > [アプリケーション リンク] に移動します。
- Confluence インスタンスの URL を入力し、[新しいリンクの作成] を選択します。
- OAuth (なりすましあり) 認証の使用を構成するため、サーバーに一連の同じユーザーが登録されていることを確認します。
- 両方のサーバーの管理者でない場合は、2 方向 (相互) のアプリケーション リンクをセットアップすることはできません。1 方向リンクを作成する場合、[両方のインスタンスの管理者です] チェックボックスの選択を解除します。
- Use the wizard to finish configuring the link.
考慮事項
- Confluence から相互リンクをセットアップする方法については、「別のアプリケーションへのリンク」を参照してください。
- Jira を Confluence にリンクさせることができない場合は、こちらのトラブルシューティング記事を参照してください。
4. ナレッジベース権限のセットアップ
Confluence で設定した権限によって、エージェントが記事を作成できるかどうかや、顧客が記事を参照できるかどうかが決まります。
Confluence ライセンスが必要なユーザー
Confluence サイトでサービス デスク エージェントにスペースの作成、コメント追加、検索を許可したい場合、それらのユーザーには Confluence ライセンスが必要です。ただし、サービス デスク顧客によるナレッジベース記事の参照では Confluence ライセンスは不要です。
ユーザーのライセンス状況を確認する方法
- [Jira 管理] > [ユーザー管理] に移動します。
- 一覧からユーザーを選択します。
- [アプリケーション アクセス] の [Confluence] ボックスが選択されている場合、そのユーザーは Confluence ライセンスを持っています。
記事を表示できるユーザーを選択する
[プロジェクト設定] > [ナレッジベース] > [アクセス] > [表示] に移動します。
ヘルプ センターやチームが共有するリンクからユーザーが記事を表示できるかどうかは、この設定で決まります。以下の 2 つのオプションがあります。
オプション 1. すべてのアクティブなユーザーおよびカスタマー
Confluence ライセンスを持たないユーザーがカスタマー ポータルおよびヘルプ センターを介してナレッジ ベース記事を閲覧することができます。
以下の場合にこのオプションを選択します。
- チームが記事の作成やカスタマーとの記事の共有を行う場合
制限事項:
- サービス デスク サイトと Confluence サイトに別のユーザー ベースがある場合は、各 Service Desk カスタマー用に Confluence のユーザー アカウントを作成する必要があります。カスタマーに Confluence ライセンスを使用させない場合は、Confluence ユーザーをグループに割り当てないでください。
オプション 2. ライセンスを持つユーザーのみ
Confluence ライセンスを持っていないユーザーは、ナレッジベーススペースでの匿名アクセスが許可されていない場合、ナレッジベース記事を読めません。
以下の場合にこのオプションを選択します。
- ナレッジベースを内部向けの記事にのみ使用する場合
制限事項:
匿名アクセスは、2-legged OAuth を使用する SSO との互換性はありません。
データの公開範囲について
[すべてのアクティブなユーザーとカスタマー設定] を選択すると、Confluence のスペース権限画面に以下のメッセージが表示されます。
この権限は、既存のすべてのスペース権限よりも優先されます。ログイン済みのすべての Confluence ユーザーは、グループ メンバーシップにかかわらず、このスペースを表示することができます。
この権限はいつでも無効化できますが、再度有効化する場合は Jira Service Desk からのみ行えます。
ログイン プロセスについて
SSO や、インスタンス間でログイン情報を渡す仕組みを使用していない場合、ユーザーが記事を参照するには、Jira Service Desk の認証情報を使用して Confluence にログインする必要があります。
エージェントが記事を作成できるかどうかを確認する
エージェントが記事を作成および編集するには Confluence ライセンスが、Confluence スペースで記事を作成するには権限が必要です。
エージェントが記事を作成できるかどうかを確認する方法
- [プロジェクト設定] > [ナレッジベース] > [アクセス] > [オーサリング] に移動します。
- [スペース権限] リンクを選択すると、スペース権限のページに移動します。
- エージェント (またはエージェントが所属しているグループ) にページの追加権限があることを確認します。
Confluence 権限の詳細
Confluence では 3 つのレベルの権限を使用して、記事を閲覧および作成できるユーザーを決定できます。
- グローバル権限はサイト全体にわたる権限であり、システム管理者または Confluence 管理者によって付与されます。
- スペース権限はスペース固有であり、スペース管理者によって管理されます。
- ページ制限は表示と編集の両方に影響し、スペース管理者によって管理されます。
特定のユーザーの記事の閲覧で問題が発生している場合、Confluence 管理者に権限の確認を依頼してください。
5. プロジェクトを Confluence スペースにリンクする
ユーザー: プロジェクト管理者
Confluence スペースをサービス デスク プロジェクトにリンクさせると、エージェントがソリューションを検索したり、一般的なリクエストに関する新しい記事を作成したりできます。カスタマーはそれらの記事を使用して問題を自己解決できます。
サービス デスクを Confluence スペースにリンクさせるには、2 つの方法があります。
既存のスペースにリンクする
- [ナレッジベース] (サイドバー) > [既存のスペースをリンク] に移動します。
- ドロップダウンから対象のスペースを選択します。
- [ナレッジベース記事を参照できるユーザーの定義] リンクを選択して権限を設定します。
また、[プロジェクト設定] > [ナレッジベース] で、スペースのリンクを解除したり、スペースを変更したりすることもできます。
新しいスペースにリンクする
- Confluence 管理者およびスペースの作成権限を持っていることを確認します。
- [ナレッジベース] (サイドバー) に移動します。
- [新しいスペースの作成] を選択します。
- これで、新しい Confluence スペースを作成できました。
考慮事項
- ナレッジベース ブループリントをセットアップする方法については、「Confluence をナレッジベースとして使用する」を参照してください。
6. ナレッジベース記事の作成と検索
ユーザー: サービス デスク エージェント
Confluence スペースにリンクしたら、エージェントはナレッジを記述したり、顧客やチームメイトと共有したりすることができます。
ナレッジ ベースがあると、サポート チームが休暇の場合や、他のリクエストに対応している際や、帰宅した後でも、顧客は情報を確認できます。
ナレッジベース記事を作成する理由には次のようなものがあります。
- 似たようなリクエストが多数寄せられる場合。("オフィスの Wifi にアクセスする方法は?" など)。顧客はヘルプ センターで「wifi」と検索すると記事を見つけることができます。顧客からこのリクエストが送られた場合、手順をコメントで説明する代わりに記事を共有できます。
- システムをアップグレードする場合。順を追ったアップグレード ガイドを作成し、ヘルプ センターのお知らせからリンクさせることができます。
- 複数の顧客と同じ問題をトラブルシューティングする場合。問題の診断やトラブルシューティングのための一連の手順を説明する場合 (プリンターの故障など)、トラブルシューティング ガイドによって時間を節約できます。
記事を作成する方法
ナレッジベース スペースをセットアップすると、課題ビューに関連ナレッジベース記事というパネルが表示されます。
関連する記事がない場合、課題から新しく作成できます。Confluence スペースでページの追加権限が必要です。顧客は、赤い南京錠が付いていない記事を読むことができます。
新しい記事を作成する方法
- [記事の作成] リンクをクリックします。
- デフォルトでは、課題の概要が新しい記事のタイトルになります。これは編集することができます。
- [How-To] または [トラブルシューティング] テンプレートを選択します。
- プロンプトに従って記事を作成し、[公開] します。
- 課題ビューでの表示を確認します。
ページ ラベルはナレッジベース スペースの基本要素です。これらは記事にトピックを追加するために使用されます。これにより、記事が増えるにつれてナレッジベースを自動的に整理できるようになります。
また、サイドバーの [ナレッジベース] > [記事の作成] から記事を作成することもできます。
記事を共有する方法
顧客と記事を共有するには 2 つの方法があります。
- リクエストで記事をコメントとして共有するには、記事にカーソルを合わせます。
- サイドバーの [ナレッジベース] を使用し、アクセスしたナレッジベース記事からリンクを共有します。
顧客がリクエストやメールのリンクをクリックすると、ヘルプ センターで記事が開きます。
記事を見つけられるようサポートする
ナレッジ ベースはリクエストの概要のキーワードを元に、顧客やエージェントに記事を提案します。ナレッジ ベースが正常に機能するためには、リクエスト タイプで [概要] フィールドが表示されている必要があります。
リクエスト タイプ フィールドの設定方法の詳細をご確認ください。
顧客が記事を見つけられるようサポートする
顧客がポータルまたはヘルプ センターを探す場合、問題のトラブルシューティングに役立つ可能性がある関連記事を表示します。顧客が必要なものを簡単に見つけられるようにするため、リクエストを入力する際に記事を提案することもできます。
上記の例では、wifi リクエスト タイプからのアクセスは wifi ラベルに制限されます。顧客が [概要] フィールドへの入力を開始すると、ヘルプ センターはそのテキストを使用してナレッジベースを検索し、wifi ラベルの付いた一致する記事候補を表示します。
特定のリクエスト タイプに対して記事を提案するには、[プロジェクト設定] > [ナレッジベース] > [リクエスト タイプの自動検索] に移動し、[KB の検索] 列で [はい] を選択します。顧客がリクエストに合う記事を見つけられるよう、記事の検索を特定のラベルに制限することもできます。記事を作成するエージェントがどのラベルを使用すべきかを簡単に認識できるよう、リクエスト フォームと似たラベルを使用することをおすすめします。
ラベルは記事へのアクセスを制限する方法としては使用できません。たとえば、ナレッジベース記事を作成して Display ラベルを追加し、Display ラベルを持たない別の記事を作成した場合、Display ラベルのないページも検索に表示されます。ラベルの追加は、関連する記事をフィルターする方法であり、表示権限を割り当てる方法ではありません。
特定のユーザーのみが記事を表示できるように制限する必要がある場合は、ナレッジベース権限をセットアップします。
エージェントが記事を見つけられるようサポートする
エージェントはリクエストを確認したら、ナレッジ ベースは参照または顧客と共有できる関連記事を提案します。
サービス デスクはリクエストの概要を使用して、ナレッジ ベース スペースで記事を検索します。表示されるはずの記事が見つからない場合、概要のキーワードをより多く使用するように記事のタイトルを変更してくみてください。
エージェントは、プロジェクト サイドバーの [ナレッジ ベース] から記事の検索をすることもできます。