SLA を設定する
Jira Service Desk には強力なサービス水準合意(SLA) 管理機能が組み込まれているため、顧客との合意事項と照らし合わせてチームの進捗状況を追跡できます。SLAは 2 つの設定から構成されています。
- この SLA で用いる時間の測定方法を定義する、時間評価基準。
- 時間評価基準上の目標を定義する、選択された課題の目標異なる種類の課題には異なる目標が設定されます。
このページの内容
Jira Service Desk は、最も一般的な IT 要件に対応する事前設定済み SLA 評価基準をいくつか備えていますが、これらを変更したり、カスタム SLA 基準を作成して、ユーザーの業務で使用する SLA を反映することができます。また、SLA に対するチームのパフォーマンスの追跡に使用できる堅固なレポートツールも JIRA サービスデスクにより提供されます。SLA の追跡に関するヒントは、SLA レポートを参照してください。
SLA を設定するには、Jira 管理者またはプロジェクト管理者としてログインする必要があります。
SLA 時間の評価基準を設定する
時間の評価基準を課題のライフサイクル上の 2 点間で時間を追跡するストップウォッチのように考えることができます。Jira Service Desk を使用すれば、時間を追跡するタイミングを正確に制御し、選択した課題の条件に基づいて開始、一時停止、停止できます。例えば:
- 課題が一定時間内に解決されることを保証する SLA では、課題の作成時に時間の追跡を開始し、課題の解決時に追跡を停止します。顧客の回答待ちステータスで SLA を一時停止させることにより、顧客の回答を待つ間に経過する時間を除外する選択が可能です。
- チームの対応時間を短くすることを保証する SLA では、課題がサポート待ちになると時間の追跡を開始し、顧客の対応待ちになると停止します。課題が開始条件を満たすたびに、SLA の新しいサイクルが開始します。
サービスデスク プロジェクトのサイドバーから、プロジェクト設定 > SLA > 新規評価基準 を選択して、以下の条件を入力します。
条件 | 説明 |
---|---|
評価基準名 | この名前(例えば、解決までの時間)は、課題の SLA セクションでエージェントに表示され、追跡する対象を指示するものです。SLA 評価基準の名前を保存した後は変更できないので、ご注意ください。 |
Start | 課題がこの条件(例えば、課題が作成された)を満たす時はいつでも、SLA に対する時間のカウントが開始されます。 |
一時停止 | 課題がこの条件(例えば、ステータス:顧客の回答待ち)を満たす時はいつでも、SLA に対する時間カウントは行われません。 |
停止 | 課題がこの条件(例えば、解決:セット)を満たす時はいつでも、SLA に対する時間のカウントは停止されます。 |
次に示すのは、新しい評価基準形式の例です。
開始、停止、一時停止時間について、複数の条件を設定できることにご注意ください。この機能の使用方法を詳細に調べるには、例:複数のサイクルを持つ SLA を作成する を参照してください。
SLA 目標を設定する
SLA の時間条件では、チームが追跡可能とみなす時間の種類を指定しますが、SLA評価基準の目標セクションでは、様々なシナリオで使用可能な時間の長さを設定します。SLA 目標は時間単位または 1 時間未満の時間増分で表すことができます。例えば、課題が一定時間内に解決されることを保証する SLA では、次のような目標が考えられます。
- ブロッカー課題は 24 時間以内に解決し、致命的課題は 36 時間以内に解決する
- ビルドエンジニアリング チームのメンバーが作成したブロッカー課題は 12 時間以内に解決し、経理チームのメンバーが作成したブロッカー課題は 36 時間以内に解決する。
新規評価基準画面または評価基準編集画面では、次のフィールドに必要事項を入力して、目標を定義できます。
フィールド | 説明 |
---|---|
課題 | Jira クエリ言語(JQL)を使用して、特定の課題条件を入力できます 。課題のライフサイクルを通じて比較的一定に維持される、条件に関する基本目標。 (例えば、ワークフロー上のステータスではなく、課題の優先度)。 |
目標 | 事前に設定した SLA 条件に対する目標時間を、これによって指定します。時間の単位を使用して SLA 目標を作成する場合、X 時間 Y 分 (例えば3時間 30分)と入力します。 SLA 目標を書くのに時間、分は使えますが、日は使えません。 |
カレンダー | SLA に対する時間のカウントが可能な場合、カレンダーによって作業時間を指定できます。 |
重要度の順で目標をドラッグして移動できます。このリストで 1 番目に一致する目標条件に対して、課題の追跡が行われます。
SLA カレンダーを作成する
既定では、SLA の測定は毎日 24 時間週 7 日行いますが、SLA カレンダーを使用してチームの作業時間を指定することもできます。例えば、SLA カレンダーを使用すると、SLA 評価基準に影響を与える時間から昼休み、休業日、または週末を除外できます。
新しい SLA評価基準を保存した後、カレンダーボタンを押して、チームの作業時間を設定したカレンダーを追加します。以下に示す Sample 9-5 Calendar では、SLA 目標に加算されない、1時間の昼休みを含めるように編集できます。09:00 -17:00 の行項目を削除して、同じ日に 2 つの行項目 (昼休みの前と後) を設定して置き換えるだけです。
設定したカレンダーを保存し、SLA 評価基準を開いて評価基準目標の 1 つにカレンダーを関連づけます。SLA カレンダーはそれぞれのサービスデスクに固有であることにご注意ください。作業時間が 9- 5時の SLA カレンダーを使用する SLA の設定例については、例:基本 SLA を作成する を参照してください。
チームメンバー向けの SLA 表示
チームメンバーは、SLA タブの読み取り専用バージョンを表示できるため、SLA がどのように設定されているか表示できます。課題の詳細ビューでは、課題を測定している SLA に関する詳しい内容が SLA セクションに一覧表示されます。
SLA トラッカー規則が示している内容の詳細は、以降のセクションを参照してください。
進行中の SLA
SLA トラッカーは、残り時間に基づいて課題の特定の SLA の緊急性を示すために色を使用します。
SLA の残り時間は 1 時間超。 | |
SLA の残り時間は 1 時間未満。SLA 目標が 1 時間の場合、SLA の残り時間は 30 分。 | |
SLA の残り時間は 30 分未満。SLA 目標が 1 時間の場合、SLA の残り時間は 15 分。 | |
SLA は目標違反になりました。目標から経過した時間は負数で示されます。 | |
SLA は一時停止しています。 |
完了した SLA
完了した SLA には、SLA 目標を達成できたかどうかを示すために SLA 完了時の残り時間 (または違反した超過時間) とアイコンが表示されます。
SLA 目標を達成して完了。 | |
SLA 目標を達成できずに完了 (目標違反) |
複数の SLA ターゲット
課題が複数の SLA の基準を満たす場合、各 SLA のトラッカーが表示されます。さらに、SLA が複数のサイクルにわたっていた場合、シンボルをマウスオーバーすると、その特定のサイクルの SLA がどのように達成されたかについて、詳細を表示できます。(たとえば、課題がサポートを待機している時間に基づいて測定される SLA では、課題がサポートの待機を開始した時間ごとに SLA が達成されたかどうかを表示できます。)
SLA のソート
キューまたは他の場所で課題のリストを表示する場合、SLA の解決時間によって課題をソートできます。継続中の課題が最初にリストされ、残り時間が最も少ないものがリストの先頭に表示されます。完了した課題はリストの最後に配置されますが、残り時間によるソートはありません。
SLA データを管理する
SLA 評価基準の新しい名前を作成すると、Jira サイト内のすべてのサービスデスクで利用可能な新しいカスタム フィールドが作成されます。JIRA 管理者は、SLA 評価基準名を作成する場合にユーザーがプロジェクト管理者と Jira 管理者のどちらでである必要があるかを選択することができます。使用されている SLA フィールドの数を参照し、使用していないフィールドをクリーン アップすることもできます。これらの設定を管理する方法:
- > [アプリケーション] を選択します。[Jira Service Desk] セクションまでスクロール ダウンし、[設定] を選択します。
- SLA 評価基準名セクションで、新しい SLA 評価基準名を作成することができるユーザーを変更することができます。使用中ではない SLA カスタム フィールドがある場合、クリーン アップをクリックして削除します。
SLA の使用上の注意
- 同じユーザーを報告者と担当者の両方のロールに割り当てると、SLA が正しく機能しない可能性があります。
- 既存の SLA を編集すると、Jira Service Desk はプロジェクト内のすべての既存課題のインデックスを再作成します。このインデックスの再作成により、未解決課題の SLA ステータスは変更された基準を確実に反映します。経過時間に関するすべての履歴 SLA データは、新しいメトリックで測定するために再計算されます。SLA ステータスは未解決課題に対してのみ再計算され、解決済み課題の場合は再計算されません。
たとえば、ブロッカー課題の目標が 6 時間から 4 時間に変更されても、すべての解決済み課題は、6 時間未満で解決されている限り、目標を達成したものとみなされます。これにより、解決済み課題に関するレポートは、その課題のライフサイクルに関して正確であることが保証されます。 - 課題に関する目標を変更するというような、課題データの変更が生じる場合 (優先度が致命的からブロッカーに変更される場合など)、以前の目標に対する時間は新しい目標に対して追跡されます。つまり、サポートチームが致命的課題に 1 時間費やした場合に、課題がブロッカーにエスカレーションされると、その時間は新しい目標に対してカウントされます。その結果、SLA 違反になる場合もあります。
- 別の SLA に依存する目標の設定は推奨されません。