目的

Jira Cloud Migration Assistant (JCMA) の添付ファイルおよびプロジェクト アバターの移行とサイト インポートの互換性が実現しました。これにより、サイト インポートで添付ファイルを "事前読み込み" することができます。

要約

従来は、JCMA を使用して添付ファイルおよびプロジェクト アバターをアップロードし、サイト インポートで Jira プロジェクトのデータを移行した後、JCMA を使用して "添付ファイルのリンク処理" を実行していました。これにより、すべての添付ファイルおよびプロジェクト アバターが表示され、クラウド サイト上でアクセスできるようになりました。この新しいプロセスでも、サイト インポートの前または後に添付ファイルおよびプロジェクト アバターをアップロードすることが可能ですが、サイト インポートのアーカイブが生成された後、添付ファイルのリンク情報で "エンリッチ化 (補強)" されるようになります。サイト インポート後に、JCMA のリンク処理の手順を実施する必要がなくなります。さらに、エンリッチャーを使用した添付ファイルのリンク処理は、以前の JCMA を使用した添付ファイルのリンク処理よりも高速で、信頼性が高いものとなっています。

例:

• 移行対象のすべてのプロジェクトのみ (通常はすべて) を対象に JCMA の添付ファイルのみの移行を実行

  • プロジェクト アバターを移行する場合は、添付ファイルのみの移行を実行する前に com.atlassian.jira.migration.avatar-migration.feature FF を有効にしてください。

    この FF を有効にすると、プロジェクト アバターのみが移行されます。ユーザー アバターの移行はサポートされていません。

    
    

• サイト インポート zip アーカイブを生成する

• エンリッチャーを実行して、添付ファイルのリンク情報をサイトに埋め込む zip アーカイブをインポート

• サイト インポートを実行

ソリューション

サイト インポートアーカイブを添付ファイルのリンク情報で補強する機能はダーク機能 として実装されており、JCMA でデフォルトでは有効化されてはいません。ダーク機能の利用方法については「Jira でダーク機能を有効化する」をご確認ください。

1. 次の URL に移動します。<Jira_URL>/secure/admin/SiteDarkFeatures!default.jspa

2. 次のダーク機能を入力します。com.atlassian.jira.migration.enable.site-import-enricher

3. [Add] をクリックします。

4. プロジェクト アバターを移行する場合は、ダーク機能 com.atlassian.jira.migration.avatar-migration.feature を入力します。

5. [Add] をクリックします。

オプション 1: サイト インポート前に添付ファイルをアップロードする

1. 新しい移行プランを作成

   1. プロジェクト選択で [Attachment only] を選択

   2. プランを実行

2. サイト インポート zip を生成およびエンリッチ化

3. サイト インポートを実行

オプション 2: サイト インポート後に添付ファイルをアップロードする

1. サイト インポート zip を生成およびエンリッチ化

2. サイト インポートを実行

3. 新しい移行プランを作成

   1. プロジェクト選択で [Attachment upload] を選択

サイト インポート zip を生成するために Jira データをバックアップする

このプロセスで、$JIRA_HOME/exportにある最新の zip ファイルを探して、添付ファイルのリンク情報をこれを使ってエンリッチ化します。

エンリッチャーを実行する

URL: <Jira_URL>/rest/migration/latest/enricher/job/new/<cloud ID> に移動します。

次のメッセージが表示されます。

• 「new job created」ジョブが作成されている場合

• 「rerunning job」同じクラウド ID で過去にジョブが実行され終了している場合

• 「another job is already active - {cloudId}」アクティブ ジョブがある場合

エンリッチャー ジョブのステータスを取得する

URL: <Jira_URL>/rest/migration/latest/enricher/job/<cloud ID> に移動します。

次のメッセージが表示されます。

• 「job is active」まだ進行中の場合。詳細は、ログを確認することを検討してください。

• 「no job found」そのクラウド ID でジョブのレコードがない場合

• 「Done - {filepath}」ジョブが正常に終了し、エンリッチ化された zip ファイルのパスが指定されている場合

• 「Failed to run job: {error}」 ジョブが正常に完了しなかった場合

エンリッチ化された zip は、ファイル名にタイムスタンプとクラウド ID に関連付けられたクラウド ホストが含まれる

アクティブ ジョブを取得する

URL: <Jira_URL>/rest/migration/latest/enricher/job/active に移動します。

次のメッセージが表示されます。

• アクティブ ジョブがあれば、そのクラウド ID

• 無い場合には、「no active jobs」

トラブルシューティング

クラウド ID が見つからない

クラウド ID が見つからないというエラーが表示される場合があります。

このプロセスでは、AO_6FF49D_CLOUD_SITE テーブルを調べて詳細を確認します。このテーブルは、「Choose cloud site」が完了すると入力されます。

Client must be authenticated

これらの操作は、管理者のみが実行できます。ログインすることで、ブラウザはセッション Cookie を保持します。同じブラウザで新しいタブを使うことで、上記の操作を実行できます。

一般的なデバッグ

より詳細なプロセスでは、サイト インポート zip アーカイブのコピーが作成され、2 つの csv ファイル (attachments.csv と avatars.csv. ) が追加されます。

これら 2 つの csv ファイルをサイト インポート アーカイブにコピーする前に、より詳細なプロセスによってエクスポート ディレクトリにファイルが作成されます。ファイルには、タイムスタンプとクラウド ドメイン名のプレフィックスが付きます。例: 20230806-230209-mpt-test.atlassian.net-attachments.csv。

これらのファイルは、サイト インポート zip アーカイブに手動でコピーできます。その場合は、プレフィックスを削除して、csv ファイルの名前を attachments.csv と avatars.csv に変更する必要があります。

強化されたサイト インポート zip の最終的な構造は次のようになります (zip ファイルはどのような名前でもかまいません)。

20230806-230209-mpt-test.atlassian.net-import-enriched.zip
├── activeobjects.xml
├── attachments.csv
├── avatars.csv
└── entities.xml